試合レポート

岩倉vs都立上水

2017.04.03

岩倉が11安打11得点で快勝!

岩倉vs都立上水 | 高校野球ドットコム

先発の三田(岩倉)

 秋は都大会の1回戦で国士舘に2対3で9回サヨナラ負けをした岩倉と、1次予選の代表決定戦で都立の強豪・都立雪谷に2対3で惜敗した都立上水の試合。実力、実績ともセンバツ優勝経験のある岩倉が上回っているが、岩倉の豊田浩之監督は、都立上水の上位打線をみて、「大量失点もある」と思ったそうだ。

 実際に1回裏、都立上水は3番・原田大夢が、ライト柵越えの本塁打を放ち、先取点を挙げる。

 それでも岩倉は、2回表すぐに反撃を開始し、5番・森本克哉の右前安打に2四死球で無死満塁のチャンスを作る。8番、先発投手の三田知樹が遊ゴロで森本が生還し、同点。さらに二死後、1番・山口龍哉のバント安打で逆転する。山口が二盗し、二死二、三塁として、2番・山田航大の左前安打で2人が還り、この回、4点を挙げる。

 それでも都立上水は、1番・曽根侑羲が遊失で出塁した後、2番・中野厳生が右中間を破る二塁打を放ち、1点を返す。岩倉の先発・三田は武蔵村山三中の出身で、中野は武蔵村山五中の出身で、中学生時代から、良く知った間柄だという。

 中野の二塁打で反撃機運は高まったが、4回表、岩倉打線は都立上水の先発、変則モーションの右腕・鈴木健介を攻める。一死後9番・八代唯人がレフト線の二塁打を放つと、1番・山口の右前安打で八代が生還。2番・山田の死球に続き、3番・涌井和人がレフトオーバーの二塁打を放ち2人が還る。

 岩倉が試合を優位に進めるものの、5回裏には二失の後、都立上水の1番・曽根がレフトオーバーの二塁打を放ち、都立上水が1点を返す。


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本塁打を放った原田(都立上水)

 「これは反省しないといけません」と岩倉の豊田監督が言うように、3回、5回と、失策の後に長打を打たれ、失点している。実力が接近した相手だと、こうした失点は致命傷になる。

 太陽が高くなってきた6回表、岩倉は二死一塁から、4番・中山椋輔の三塁打に続き、森本の二塁打で2点を追加する。いずれも、レフトへの大飛球を、左翼手がボールを見失ったものだった。さらに6番・鈴木大誠がライトフェンス直撃の二塁打を放ち、さらに1点を追加する。7回にも山田の二塁打で岩倉が1点を追加し、11対3の7回コールドで岩倉都立上水を破った。

 岩倉の豊田監督は「たまたまです」と言うものの、この試合岩倉は、投手の三田以外は全員左打席に立った。左打線が都立上水の3人の投手を攻略し、11安打を浴びせての圧勝だった。とはいえ失策後の失点など、内容的は問題が多い試合だった。岩倉は、次の都立調布南戦に勝つと、早稲田実と対戦することになる。

 「早実戦はまだみえてこないです。次の試合をしっかり勝つようにしたい」と豊田監督は語る。

 一方敗れた都立上水の湯原功久監督は、「打てるようにはなってきましたが、守備を鍛えないと。夏に向けてやり直します」と語った。都立上水は、選手登録は17人。女生徒の方が多く、選手集めには苦労しているようだ。それでも、全体的なレベルは、都立校の中では高い方だ。後は、1年生が入ってどう融合し、力を上げていくか。夏に向けての成長を期待したい。

(取材・写真=大島裕史)

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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