試合レポート

鷲宮vs三郷工技

2016.04.15

本物の全力野球を実践する鷲宮が速攻で5回コールド勝ち

鷲宮vs三郷工技 | 高校野球ドットコム

4番菅原大(鷲宮)

 地区予選になると、力の差があって大差になることは多い。本当に強いチームなのかを見極めるかは打者のスイングスピード、打球の速さ、プレーのスピードが判断材料になる。今回、三郷工技を13対0で大勝した鷲宮は実にスピード感があるチームだった。次々と長打、さらに先の塁を奪う走塁姿勢は爽快感があった。

 1回裏から自慢のスピードで圧倒する。

 一死二、三塁のチャンスで、打席に入ったのは4番菅原がいきなり右中間を破る適時三塁打を2点を先制。5番鮫島も右越え適時三塁打で3対0。6番阿見の鮮やかなスクイズでいきなり4点を先制する。2回裏にも打線の勢いは止まらず、一死二、三塁から4番菅原が左越え適時三塁打を放ち、さらに追加点を入れる。その後も鷲宮打線の勢いは止まらず、18安打13得点と5回コールド勝ちを決めた。鷲宮の選手たちの脚力が高く、次の塁を狙う積極的な走塁姿勢が素晴らしく、次々と二塁、三塁を当たり前にように奪っていく。また一瞬でも隙を見せれば、一気に先の塁を陥れていた。走塁でプレッシャーを与えるというのはこのことをいうのであろう。

柿原実監督は、スピード感や全力疾走というのを大事にしてきた。
「全力疾走というのはずっと大事にしてきたことですし、これは勝敗関係なく欠かさずにやらなければならないことですからね。それは今の世代だけではなく、次の世代のも受け継いでいきたい」と話すように、選手たちはただベースラニングだけではなく、集合の時や、守備位置に走るまで、そしてベンチに戻るまで常に全力疾走。彼らの動きを見ると、良い意味で緊張感がある。
今日魅せた鷲宮のキレのあるプレーは、プレ―の時だけ全力疾走だけではとても出来上がらないものというのが理解できた。今後も勝ち進み、鷲宮野球を実践できるか。

 また個人で光っていたのが三塁打2本、中前安打1本を放った菅原大(3年)だ。
 168センチ70キロとがっしりしており、ベンチプレスは100キロ、スクワットは160キロとパワフル。左足を高々と上げてタイミングを測り、ぐっと前へ踏み出し、腰を鋭く回転させて振りに行く選手。この試合では良いポイントで打っていて、打球音が鈍く、重い金属音を響かせて、鋭い打球を飛ばしていた。

 菅原が良いのは逆方向に鋭い打球が打てること、第1打席は右中間を破る適時三塁打だったが、打球音の大きさ、打球速度は他の選手と比べてもかなり速く。第3打席はライト方向へあわやホームランと思わせる打球を放っていた。それでも本人は第3打席以外は自分の打撃ができなかったと反省している様子だった。またベースランニングも非常に速い選手であり、外野守備を見ていてもスピード感がある。走攻守三拍子揃った外野手として、ぜひ注目してほしい選手である。

(取材・写真=河嶋 宗一

鷲宮vs三郷工技 | 高校野球ドットコム
注目記事
2016年度 春季高校野球大会特集

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.06.10

【福島】いわき光洋、平工が勝利<春季支部選手権大会>

2024.06.10

【北海道】札幌支部は11日に抽選会!27連勝中の北海に、20年ぶりに春全道大会出場の大麻にも注目<夏の甲子園予選組み合わせ>

2024.06.10

【沖縄】11日に抽選会!春の覇者・エナジック、ノーシードの沖縄尚学の対戦相手に注目<夏の甲子園県大会組み合わせ>

2024.06.10

仙台育英卒業生の進路は超豪華! 主将はプロ入り、主力は早大、明大、中大ら名門へ進学し、すでにデビュー組も多数!

2024.06.10

高校時代、クラブチームでプレーした152キロ左腕が5回7奪三振の快投!大学日本代表候補たちが選手権で躍動【大学野球選手権】

2024.06.10

【福島】いわき光洋、平工が勝利<春季支部選手権大会>

2024.06.10

【北海道】札幌支部は11日に抽選会!27連勝中の北海に、20年ぶりに春全道大会出場の大麻にも注目<夏の甲子園予選組み合わせ>

2024.06.10

【沖縄】11日に抽選会!春の覇者・エナジック、ノーシードの沖縄尚学の対戦相手に注目<夏の甲子園県大会組み合わせ>

2024.06.04

神村、鹿実の壁を破れ! 国分中央は「全力疾走・最大発声・真剣勝負」で鹿児島の頂点を狙う

2024.06.08

慶應義塾が15安打12得点で強打健在も投手陣に不安 先発小宅は5回途中で降板【香川招待試合】

2024.05.21

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.21

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在33地区が決定、岩手では花巻東、秋田では横手清陵などがシードを獲得〈5月20日〉

2024.05.13

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在29地区が決定、愛媛の第1シードは松山商

2024.05.19

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在30地区が決定、青森では青森山田、八戸学院光星がシード獲得