富島vs宮崎工
濵田登監督率いる富島。ついに九州へ!!エース吉田13K完封!
エース吉田 寛輝(富島)
九州大会出場をかけた準決勝は、富島が序盤の先制攻撃で試合を決めた。
1回一死一二塁、4番木村 天響が左前適時打を放ち先制。同回二死一二塁、6番日髙諒が左線へ適時二塁打を放ち2点目。
2回には、2番森川のスクイズ時に敵失(暴投)から3点目をあげると、3番粟田が一死二三塁から2点左前適時打を放ち、富島5対0宮崎工。
投げては、富島のエース吉田 寛輝が、ミート・パンチ力に優れた選手が揃う宮崎工に対して、これまでで一番のピッチングをみせた。9回123球、被安打3、奪三振13、四球1。
8回に、味方エラーと被安打から背負った無死一二塁のピンチでは、後続を3者連続三振!
結局、宮崎工に一度も三塁を踏ませず完封した。
女房役の富島4番キャッチャー・木村は、「しっかりと指にかかったボールがきていた。最近、スイッチ(気持ち・力)を入れて投げても大丈夫になった。リード面でも自分を信頼してくれるようになったので、自分はバッティングに集中できる。」と、吉田の成長を褒め称えた。
「『2年で九州大会!3年で甲子園出場!』そう言った時には失笑されましたよ(笑)」
と、歓迎会での出来事を感慨深く話したのは富島・濵田登監督。
まず、ひとつ。
「九州大会出場!」
本当に、その日がやって来た。
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富島ナイン
これまでの大会レポートで何度か書いたが、2013年4月、宮崎商から赴任した富島・濵田登監督。
濵田登監督の仕事は、野球部員集めからだった。当時、富島の野球部員は2年生5名のみ。入学したばかりの1年生6名+マネージャー4名が加わり、2013年夏の大会(第95回)に出場することができた。
そして、2014年4月、「富島で、濵田登監督のもと、高校野球がしたい!甲子園を目指す!」と、入学してきたのが現2年生だ。
野球では無名の県立校に赴任した一人の監督。濵田登監督の影響力・指導力・人間味で、この日を迎えることができ、歓喜に沸いた富島スタンドを眺めると、「感動」の一言だった。
選手・保護者、学校関係者、地域住民・応援者の皆様には、心から「九州大会出場、おめでとうございます」の気持ちでいっぱいだ。
現在、参加49校の宮崎県高校野球。これまで歴史を築いてきた私立伝統校や甲子園出場経験校に加えて、新たな宮崎の高校野球史を創るチーム(監督)が出てくることで、県のレベルアップ・底上げにつながる。
また、県大会は一回戦~決勝までの計6回戦。宮崎県よりも参加校数・回戦数が多い都道府県を勝ち上がってきた、九州・全国のチームと対等に戦うためには、確率論から考えても、最低でも、宮崎県内での一回戦~三回戦までを圧勝するぐらいのチームになる必要がある。
↓富島の今大会戦績↓
■富島
一回戦:11-4小林(8回コールド)
二回戦:10-3都城農(7回コールド)
三回戦:10-3聖心ウルスラ(7回コールド)
準々決勝:3-1都城(第1シード)
準決勝:5-0宮崎工
今大会の富島は、そのようなチームになっている。
濵田登監督の言葉のうち、もうひとつ。
「甲子園出場!」を実現させるために、さらに一枚上のレベルになるために。まずは、第3シード日南学園との決勝戦で優勝旗を手にし、宮崎1位で九州大会に出場したいところだ。
(写真・文=三角 竜之)