試合レポート

高松vs観音寺一

2018.07.22

高松、大先輩引き継ぐ「マジック」で64年ぶりファイナリストへ!

 3回戦では昨秋四国大会4強・第3シードの高松商に延長10回競り勝ち。続く準々決勝では琴平に対し最終回3点差を覆すサヨナラ勝ち。現在の全国高等学校野球選手権の祖、1915年開催「第1回全国中等学校優勝野球大会」参加10校「レジェンド10」の1つである高松は、今大会で一躍注目を集める存在となっている。

 

 昨年大会覇者・甲子園ベスト8の三本松を準々決勝・延長11回で破り、創部109年目にして悲願の初甲子園まで残り2勝と迫った実力者・観音寺第一相手にも、高松は臆せず戦った。

 

 3回までに両校が4点ずつを取り合う乱戦模様から、中盤は観音寺第一が5回裏に二死二塁から大西 文也(2年・三塁手・167センチ67キロ・右投右打・観音寺市立豊中中出身)がこの試合2本目となる適時二塁打で勝ち越し。さらに6回裏にも観音寺第一は二死満塁から6番・上戸 佑記(3年・165センチ56キロ・右投左打・観音寺市立豊浜中出身)がこの試合2打点目となる適時打で4対6。それでも高松は2回に右翼手から2番手マウンドに立った兵頭 真大(3年・184センチ80キロ・右投右打・高松市立桜町中出身)が要所を締め、反撃を待つ。そして8回表「その時」は訪れた。

 

 二死一・二塁の場面で打席に立ったのは7番・土田 悠介(3年・左翼手・174センチ74キロ・右投右打・高松市立紫雲中出身)。フルカウントから迷いなく変化球を振り抜いた打球は左中間を破る同点二塁打。8番・石田 公平(3年・捕手・167センチ62キロ・右投左打・香川大学教育学部附属坂出中出身)も、沸き上がる三塁側応援席の熱気に押されるように、11球粘った末の左前に落とす逆転適時打。8回裏・9回裏は兵頭が3人ずつで抑えきり、高松は1954年以来実に64年ぶりの大会決勝戦へと駆け上がった。

 

 ここまでの過程はまさに彼らの高校大先輩である日本プロ野球界屈指の名将・三原 脩監督(1984年・72歳で逝去)を彷彿とさせる「マジック」の連続。来る決勝戦でも1番・森本 寛道(3年・遊撃手・175センチ68キロ・右投左打・高松市立紫雲中出身)などが仕掛けるマジックのネタ「走塁」をベースに、1934年「第20回全国中等学校優勝野球大会」以来、84年ぶり5度目の夏聖地到達を目指す。

 

(レポート=寺下 友徳

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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