News

独自大会、交流試合に向けて準備進む帯広農(北海道)最善を尽くし夢舞台へ!

2020.06.24

独自大会、交流試合に向けて準備進む帯広農(北海道)最善を尽くし夢舞台へ! | 高校野球ドットコム
写真は昨秋の全道大会から

 朝の連続テレビ小説「なつぞら」のモデル校として選抜では注目をされていた帯広農。昨秋は十勝支部を勝ち抜き、全道大会に出場。すると準決勝まで勝ち上がり、見事21世紀枠に選出され、1982年の夏の甲子園以来の出場を決めた。

 しかし、新型コロナウイルスの影響を受けて、2月29日から4月7日まで一旦活動自粛。4月8日から一時的に再開するものの、4月16日からは緊急事態宣言を受けて再び自粛せざるを得なかった。

 そして6月1日から学校と部活動が再開することが出来たが、5月20日の甲子園と地方大会の中止は選手それぞれが報道を見て知ることとなってしまった。チームを率いる前田康晴監督は21日に3年生を集めて、ミーティングを開いた。

 「選手それぞれがしっかりトレーニングをやってきたと思うんですが、甲子園の中止にショックを受けている感じはありました。その中でこれからのことについて話し合いをしましたが、意見は割れました。このまま続けていくのか、後輩たちに交代するのかと」

 前田監督はその場では決定を出さず、練習が再開する6月1日までの期間を使って、考えを整理するように伝えて解散をした。そして6月1日の再開日を迎えたが、当時は独自大会の決定がされておらず、未だ先行きが見えない状況だった。
 「一生懸命やっていましたし、しっかりやろうという姿勢は見えるんですが、どこか1つになれない。バラバラになっている感じで、雰囲気はあまり良くなかったですし、難しさを感じていました」

 そんな中で迎えた6月2日、北海道高野連から独自大会の開催が発表。そして6月10日、中止となった選抜の代替として、「2020年甲子園高校野球交流試合」が開催することが発表され、帯広農は交流試合という形で甲子園でプレーすることが決定した。

 前田監督は事態の好転により、チームの雰囲気は活気に満ちていると実感する。
 「今回の事態には、選手も私もびっくりです。最初は嬉しいと感じつつ進路のことで不安に感じている選手もいましたが、今は責任をもって上手く両立させようとしています」

 現在は基礎トレーニングを中心に行ってきたが、練習試合の解禁に合わせて、実戦モードに徐々にシフトチェンジしている帯広農。その中でもエースで主将の井村塁がキャプテンシーを発揮している。
 「主将としての彼は信頼をしております。ここまで選手たちをまとめてくれていますし、さらみんなは井村をサポートする体制は変わらずにできていると思います。ただし、ピッチングについてはこれからですね。
 やはり2か月間は本格的なピッチングをやっていないので、キャッチボールをしていたとしても、やはり段階を追って仕上げていかなければなりません。7月下旬に向けて、しっかりと状態を高められるように、調整が出来ればというところです」

 目標は北北海道優勝。しかしその前に十勝地区の白樺学園や前年出場の旭川大高が立ちはだかる。
 「やはり白樺学園さん、旭川大高さんなどと良いゲームが出来ればと思っています。あとは、この時期に甲子園でプレーすることが決まっているのは、私たちにとってご褒美だと思っていますが、それまでに全国で通用するチームになれるように、少ない時間でもやるべきことをしっかりやっていければと思います」

 初出場した1982年の甲子園では勝利を掴むことが出来なかった帯広農。全国での1勝をつかみ、後輩たちにバトンを繋いでいけるか。

関連記事
【21世紀枠推薦校】北海道地区・帯広農!朝ドラモデル校の指揮官が胸に秘めた3つの想い
帯広農業(北海道)JK野球で甲子園だ!
「夏のための活動自粛」。21世紀枠出場の帯広農の現在

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.22

【愛知・全三河大会】三河地区の強豪・愛知産大三河が復活の兆し!豊川を下した安城も機動力は脅威

2024.05.23

春季関東大会でデビューしたスーパー1年生一覧!名将絶賛の専大松戸の強打者、侍ジャパンU-15代表右腕など14人がベンチ入り!

2024.05.22

【宮城】仙台育英は逆転勝ち、聖和学園が接戦を制して4強入り<春季県大会>

2024.05.22

【北信越】帝京長岡の右腕・茨木に注目!優勝候補は星稜、23日に抽選会

2024.05.22

【愛知・全三河大会】昨秋東海大会出場もノーシードの豊橋中央が決勝進出、147キロ右腕・内山など投手陣に手応え!名指導者率いる三好も期待の 1、2年生が出場

2024.05.21

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.05.17

「野球部や高校部活動で、”民主主義”を実践するには?」――教育者・工藤勇一さん【『新しい高校野球のかたち』を考えるvol.5】

2024.05.20

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在31地区が決定、宮城では古川学園、仙台南、岩手では盛岡大附、秋田では秋田商などがシードを獲得

2024.05.19

【東海】中京大中京がコールド勝ちで17年ぶり、菰野は激戦を制して23年ぶりの決勝進出<春季地区大会>

2024.05.20

【春季京都府大会】センバツ出場の京都国際が春連覇!あえてベンチ外だった2年生左腕が14奪三振公式戦初完投

2024.04.29

【福島】東日本国際大昌平、磐城、会津北嶺、会津学鳳が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.05.21

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.29

【岩手】盛岡中央、釜石、水沢が初戦を突破<春季地区予選>

2024.04.23

床反力を理解しよう【セルフコンディションニングお役立ち情報】

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?