試合レポート

多古vs千葉商大付

2014.07.12

多古、スクイズ、強打を織り交ぜた攻撃で、7回コールド勝ち!

 千葉商大付多古という好カード。両チームとも指導者に注目である。

 千葉商大付は西武黄金時代を支えた石毛 宏典氏がテクニカルアドバイザーに就任していて、定期的に指導を行っている。一方、多古を率いる迫屋 昇二監督は千葉県を代表する指導者だ。

 迫屋氏は市立銚子時代に、長谷川 昌幸(元オリックス)、窪田 淳(元オリックス)の2人の選手を輩出し、1999年夏準優勝、2001年夏ベスト4を経験、東総工時代に、杉山 翔大(現・中日ドラゴンズ)、菅野 智也(現・JR東海)擁して、春4強入りと赴任した学校で次々と強豪校に育てあげている。
2011年春に多古に赴任してからも、2012年夏4回戦、2013年夏4回戦に進出しており、少しずつ実績を伸ばしてきている。

 試合前から注目度が高ったゲームだが、多古が序盤に試合の主導権を握る。

 2回表に、一死一、三塁のチャンスを作り、7番原 大斗(3年)がスクイズ。千葉商大付の投手・黒島 一輝(3年)が三塁走者をタッチするが、空タッチとなり、セーフ。1点を先制。
さらに8番宮野 巨登(3年)が中越え二塁打を放ち、2点を追加し、3対0。続く9番内藤 翔太(2年)の右前安打で一死一、三塁とすると1番石毛 友太(3年)のスクイズで1点を追加し、4対0とした。


 さらに5回表には一死一、二塁から4番角田 孝祐(2年)が右中間をあっという間に破る二塁打で一気に二者生還。恵まれた体格をしており、広角に鋭い打球を打てるスラッガーで、今後も注目していきたい打者だ。
さらに5番武田 義仁(3年)の安打で、一死一、三塁として、6番高萩 拓海(3年)の犠飛で7対0と大きく差を付ける。

 多古の先発・内藤はセットポジションから、始動し、左足を高々と上げてから、勢いよく踏み込む右のオーバーハンド。常時125キロ~131キロの直球、スライダー、カーブをテンポ良く投げ分け、5回無失点の好投。

 千葉商大付は6回裏、一死一塁から中根 和将(3年)が右中間を破る二塁打を放ち、1点を返し、7対1。だが7回表、多古は1点を追加し、8対1に。

 その裏、満を期して多古はエースの宮内 春輝(3年)をマウンドに上げる。
その宮内は常時130キロ前後(最速132キロ)の直球、キレのあるスライダーのコンビネーションにする右サイド。7回裏をしっかりと無失点に抑え、試合終了。

 多古千葉商大付をコールドで下し、2回戦進出を決めた。

 多古は投打ともに戦力が充実。特に打撃は下位も長打が打てる選手が多い。そしてこの日は4投手の継投リレー。一人の投手に負担をかけず、継投策で勝ち上がるのは、東総工時代からの戦い方である。3年かけて迫屋監督の野球が浸透しつつある。

 2回戦は2年連続甲子園出場の木更津総合
強豪校に仲間入りするためには負けられない一戦。あっと言わせる戦いを見せられるか。注目していきたい。

(文=河嶋宗一

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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