試合レポート

都立小山台vs成立学園

2021.07.22

都立小山台、中盤からエンジンがかかり成立学園を圧倒!

 大会は7月3日に始まったが、シード校の都立小山台は、この試合が初登場になる。「長かった。待っているうちに暑くなるし」と、都立小山台の福嶋正信監督は言う。対戦相手の成立学園は、秋季都大会の1回戦で二松学舎大附を9回表まで3点をリードしながら、9回裏にサヨナラ逆転本塁打を打たれ敗れている。実力は十分あるが、最後の詰めに課題がある。鈴木亮治監督は「気持ちが強い子が少ない」と、メンタルの問題を指摘する。

 試合は1回表都立小山台が4番・森村 輝の中前適時打で1点を先制した。しかしその後にも一死満塁のチャンスが続いたが、併殺で1点どまり。2回表も一死満塁のチャンスを迎えたが、遊ゴロで併殺崩れの1点に止まった。

 都立小山台は序盤で2点をリードしたものの、まだリズムに乗り切れない。それでもエースの木暮 瞬哉は1回裏に1安打は許したものの、まずまずの投球だが、本調子でもない。また秋は完全な横手投げであったが、腕の位置がやや上がった感じがする。そのあたりも、木暮本人の試行錯誤が続いているようだ。

 本調子ではない木暮は3回裏につかまる。二死にはなったものの、成立学園の1番・松井琉が死球で出塁すると、2番・柿本 俊樹、4番・和田 虎大、5番・村田 栄太郎の3人が安打を連ね、2点を挙げて同点に追いついた。

 同点に追いつかれたことで、都立小山台にも火が付いた感じだ。成立学園は先発の村田は早々に降板し、一塁を守っているものの、2番手として登板した背番号1の吉田 貴翔が丁寧な投球で都立小山台を抑えていた。しかし5回表二死になった後、3番・中道 諒の左前安打、4番・森村の四球に続き、5番・澤田 知樹が遊撃手と左翼手の間に落ちる二塁打を放ち1点。続く5番・新井 晟矢の中前安打で2点を追加。さらに内野の失策も出て、この都立小山台はこの回4点を入れた。

 都立小山台は6回表、1番・濱口 隼の二塁打などで1点、7回表は二死満塁から2番・西田 宗弥の走者一掃の二塁打で3点を入れて10―2。7回コールドが成立した。

 成立学園は、力のあるチームだと思うが、やはり鈴木監督が指摘する「心の問題」なのか、力を十分発揮できないまま敗れた。

 一方勝った都立小山台は4回戦で都立のライバルである都立文京と対戦する。都立小山台のブロックは強豪が多く入っている。「険しい山。小山台に試練を与えている」と福嶋監督は語る。大会開幕から試合まで長く待たされたが、これからは厳しい戦いが待っている。

(取材=大島 裕史

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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