試合レポート

下関国際vs高川学園

2017.10.05

白熱のシーソーゲームを制し、下関国際が初の秋王者に!

下関国際vs高川学園 | 高校野球ドットコム
鶴田 克樹(下関国際)

 1986年、旧校名である多々良学園時代に成し遂げて以来の秋制覇を狙う高川学園と夏に続く2季連続優勝を狙う下関国際による決勝戦。深夜から早朝にかけての雨が上がり、夏に逆戻りしたような日差しが照りつける[stadium]津田恒美メモリアルスタジアム[/stadium]で決勝の幕が開けた。

 先攻・下関国際、後攻・高川学園。先発は下関国際がエース鶴田 克樹高川学園が背番号11の左腕・浦上 龍斗

 1回表、一死後2番甲山 達也が中前打で出塁。3番吉村 英也を迎えた場面で浦上 龍斗が素早い一塁牽制。アウトのタイミングだったが判定はボーク。労せずして下関国際が得点圏に走者を進める。吉村 英也には死球を与え、一死一二塁。絶好の先制機を作り、4番鶴田 克樹を打席に送り込んだが、ニゴロ併殺で先制は成らず。

 1回裏、高川学園も失策と安打で一死一三塁のチャンスを作るも、鶴田の角度のある直球を打ちあぐね、あと一本が出ず。初回は両先発ともにピンチを背負うも、浦上は左腕から繰り出すクロス気味の直球、鶴田は長身からの角度のあるボールで後続を断ち、無失点でスタートを切った。

 2回表、先頭の5番西山 勇樹が四球で出塁。後続が倒れ、二死となった後、8番品川 優人の打席で二盗を敢行。盗塁成功で二死二塁となり、品川が詰まりながらも右前にしぶとく落とす先制適時打。走打がかみ合い、下関国際が先制に成功した。

 追う高川学園は直後の2回裏、先頭の6番三家本 大和が左前打で出塁。7番浦上がきっちりと犠打で進め、一死二塁。続く8番樫本 一輝が左前へ弾き返し、すかさず同点に。9番花城剣士は三ゴロ併殺でチェンジ…かと思われたが、捕手のミットがスイングしたバットに接触、打撃妨害の判定となり、花城剣士は一塁へ。一死一二塁となり、1番田中 龍希が右飛。二走がタッチアップ成功で二死一三塁とチャンスを広げ、2番飯森 滉が右越えの二塁打。二者生還となり、この回計3得点。高川学園が逆転に成功。


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佐伯 亮太朗(高川学園)

 リードを奪われた下関国際は3回表、安打と連続四球で無死満塁のチャンスメイク。ここで高川学園佐伯 亮太朗が一塁からマウンドへ。しかし迎えた5番西山に四球を与え、押し出し。続く6番川上顕寛をニゴロ併殺に打ち取るも、その間に三走が生還し、下関国際が同点に追いつく。

 その後は両投手共に走者を背負いながらも、後続を断ち、同点のまま前半5回が終了。

グラウンド整備を挟んだ6回表に再び試合は動きを見せる。一死一二塁で1番濵松 晴天が左中間を破る二塁打を放ち、下関国際が1点を勝ち越し。8回表にも一死一三塁で9番佐本快が右中間突破の適時二塁打を放ち、高川学園を突き放す。

 2点を追う高川学園は8回裏、先頭の5番佐伯 亮太朗が左前打、6番三家本が左翼フェンス直撃の二塁打、7番秋重 陵佑も死球で続き、無死満塁に。迎えた8番樫本一輝が右前、9番花城剣士が中前に連続適時打を放ち、一挙3点。鮮やかな連打で逆転に成功。

 1点を追いかける下関国際は9回表一死後、4番鶴田の四球、5番西山勇樹、6番川上 顕寛の連打で満塁に。一死満塁で迎えた7番下関国際木村大輝が中前に弾き返し、同点。更に二死後、9番佐本快が中前に2打席連続となる適時打を放ち、二者生還。下関国際がこの回計3点を奪い、再びリードを奪う。

 追い詰められた高川学園は9回裏二死から走者を出すも、最後は3回途中からのリリーフで熱投を見せた5番佐伯亮太朗が一直に倒れ、試合終了。白熱のシーソーゲームの末、下関国際が夏に続く2季連続の県制覇、秋は悲願の初優勝を果たした。

 8回裏に3点を奪われ、リードを許した下関国際だったが、全く気落ちすることなく目の前のプレーに徹し、勝利を手繰り寄せた姿勢は見事の一言。敗れた高川学園も再三のピンチでベンチから「焦るな!ピンチの時こそ時間を使え!」等の掛け声が飛び交い、控え選手を含めたベンチワークで戦う姿を見せてくれた。

 2012年から6年連続でセンバツに出場している山口県勢。出場3校の中国大会での戦いぶりにも期待したい。

(文=井上 幸太

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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