試合レポート

桜美林vs都立大泉

2017.07.11

楢葉の投打にわたる活躍で、桜美林が都立大泉に5回コールド勝ち!

 昨秋と今春は合同チームだったが、この夏は1年生を10人加え、部員14名の単独チームで公式戦出場を果たした都立大泉と、今大会はシード落ちしたものの全国制覇の経験もある名門・桜美林の一戦。

 桜美林の先発はエースの右腕・楢葉 俊宗(3年)。1回表は一死から3者連続でフルカウントと制球に苦しみ、2番・師岡 祥吾(2年)は空振り三振に打ち取ったものの、3番・前田 直人(1年)には四球。さらに、一塁走者の早いスタートに気づかず二進を許し、二死二塁のピンチ。ここで都立大泉の唯一の3年生である4番の板垣 風(3年)を迎えるが、フルカウントから高めの速球で空振りを奪い、なんとか無失点で切り抜ける。

 一方、都立大泉の先発は右スリークォーターの関根 大輔(2年)。こちらも初回はコントロールが定まらず、2番・石岡 光(3年)に四球を与えると、3番・松井 洸太(3年)は遊ゴロに仕留めるがエンドランがかかっており、こちらも二死二塁と同じ形に。そして、4番・渡邊 聖太(3年)との勝負はショート後方にフラフラと上がった飛球となり打ち取ったかに思えたが、その打球がポトリと落ちて先制の二塁打となった。さらに、攻め立てる桜美林は死球で二死一二塁とすると、6番・佐藤 洸樹(3年)がインコースの高めに浮いてきたボールを強振。これがライト芝生席に飛び込む3ランとなって、4対0とリードを広げた。

 反撃したい都立大泉は3回表。この回、先頭の8番・本間 駿(1年)がショートの右を抜くチーム初ヒットで出塁すると、9番・渡辺 広夢(1年)は送りバントをしっかり決めて一死二塁。その後、1番の丹波 有稀(1年)は三振に倒れたが、師岡が四球でつなぎ、バッテリーミスもあって走者を二三塁まで進めたが、前田はショートゴロ。バウンドが手前で少し弾んだが、桜美林の遊撃手・伊藤 太一(3年)がしっかりと処理して、この回も得点を挙げることはできなかった。


 すると、桜美林は3回裏に猛攻を開始。一死から松井がヒットで出塁すると、先制打を放った渡邊が今度はセンターの頭上を越す文句なしの適時二塁打。死球を挟んで、前打席ホームランの佐藤は流し打ち。これがレフトオーバーの二塁打となって、さらに1点。なおも、8番・山本 悠人(2年)がセンター前へ2点適時打。1番・伊藤もセンター前に弾き返すと、このボールを中堅手が後逸している間に2人の走者が生還し、この回、一気に6点を挙げた。攻撃の手を緩めない桜美林は4回裏も5番・峯岸 快(3年)が三塁線を抜く適時二塁打。そして、二死二塁からピッチャーの楢葉がレフトの場外へ消える2ランを放ち、勝負を決めた。

 楢葉は投げても好投。4回表は緩いカーブでタイミングをはずし、板垣を見逃し三振。6番・國米 星秀(2年)には外角のスライダーで空振り三振と、ストレートを中心に、時折、変化球を織り交ぜる余裕のピッチングを見せ、4回を1安打無失点。三振も6つ奪ってみせた。5回はマウンドを引き継いだ左腕・山岸 健也(3年)が3人で締めて5回コールド。13対0で桜美林都立大泉を下した。

 都立大泉のエース関根は右打者の内角をどんどん突いていく強気の投球。ファウルでカウントを稼ぐところまではうまくいっていたが最後の決め球を欠き、甘く入ったボールを痛打されてしまった。しかし、この関根をはじめ、前進守備のシチュエーションも含め4つのゴロを完璧にさばいた遊撃手の國米など1、2年生が主体のチームだけに、この敗戦を糧にして秋に臨んでもらいたい。

 桜美林は攻撃陣が2本塁打と集中打で9安打ながら13得点と効率の良い攻め。守ってもノーエラーと攻守ともに磐石の戦いぶりだった。次戦となる3回戦は7月15日(土)に穎明館と対戦する予定だ。

(文=大平 明)

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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