堀越vs工学院大附
堀越、本塁打4本を放ち5回コールド発進!
本塁打を放った池田(堀越)
この日、甲子園球場ではセンバツの決勝戦が行われたが、48年前のセンバツの決勝戦に進出した堀越に、西東京で実績を残している工学院大附が挑んだ一戦。
4月というのに、「春は名のみ」といった感じの冬のような寒さに、小雨も降る中で試合が行われた。手がかじかむような気候であったが、「練習をしているのは八王子ですから」と、堀越の小林寛己監督は言う。堀越は、校舎は中野区にあるが、グラウンドは高尾山の近くにある。
そのためか、堀越の先発・原島麟は、寒さを苦にしないかのように、サイド気味のフォームからテンポよく投げる。それに対して工学院大附も積極的に打ちに行ったこともあり、4回を終わって原島の投球数は47。安打を1本も許さない好投であった。
堀越は、攻めては1回裏、内野安打で出塁した1番・鈴木渉太が、二盗と5番・谷山拓樹の中前安打で還り1点を先制。
2回裏には、主力の負傷で急遽起用された背番号17の7番・池田怜央がライト柵越えの本塁打。3回裏には、4番・神保優貴が左中間柵越えの本塁打を放つ。さらに4回裏には1番・鈴木もレフト柵越えの本塁打を放ち、毎回1点ずつ加点する。
工学院大附にとって、唯一のチャンスであったのは、5回表。この回先頭の5番・岩田大誠が右中間を破る、チーム初安打となる二塁打を放つ。しかし次打者・藤原大樹の初球、飛び出したところ、堀越の捕手・神保に刺されアウト。藤原も中前安打で出塁しているだけに、惜しまれる走塁であった。
工学院大附の雨宮啓太監督は、「積極的に狙って行くようにはしているのですが、状況判断もしないといけないですね」と語る。
工学院大附は、5回表も無得点で終わったことで、試合の流れは完全に堀越に渡る。
その裏堀越は、走者2人を置いて5番・谷山がレフトポール近くに叩き込む3ランを放ち勝負を決する。さらに7番池田の右前安打の後、9番・熊谷哲平の三塁打、1番・鈴木と2番・野口颯太の連続二塁打と長打が続き、この回6点。10対0と5回コールドが成立した。
堀越にすれば、原島が5回を被安打2の無失点に抑え、球数もわずか58。4本の本塁打を含め、上位下位問わず安打を重ね、安打数は14、得点10の快勝であった。小林監督は、練習の成果に手ごたえを感じつつも、「これからです」と、引き締めた。
一方工学院大附は、積極性が持ち味のチーム。走塁のミスもあったが、「悔しい経験ですが、いい経験をさせてもらいました」と、雨宮監督が言うように、敗戦を糧に、夏にはもう一段成長した姿をみせてほしい。
(取材・写真=大島裕史)
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