試合レポート

向上vs横須賀総合

2014.07.15

春より打線に凄みが増した向上。順当に3回戦進出!

 関東大会準優勝向上が初戦を迎えた。
相手は開幕戦を制した横須賀総合
横須賀総合とは、2012年夏の開幕戦で対決し、その時は向上が敗れた。それだけに戦いづらい相手。向上にとっては、先制をして試合の主導権を握りたいところ。

 1回表、向上は1番三廻部 憂磨(3年)、2番鈴木 陵史(3年)の連続安打で出塁すると、3番菅野 赴門(3年)は四球。4番安達 鴻希(3年)が中犠飛を放ち、さらに5番田村の併殺崩れの間に1点を追加し、2対0。二死一塁となって、6番鈴木 翔天(そら)(3年)が右中間を破る三塁打を放ち、3点を先制する。

 さらに2回表にも二死二塁から2番鈴木陵が右中間破る三塁打で1点を追加し、3番菅野の左前適時打で、5対0と突き放す。4回表にも3番菅野の犠飛で1点を追加し、6対0と点差を広げる。

 投げてはエース高橋 裕也(3年)が好投。
全力時はコンスタントに140キロ前半を計測する投手だが、この日は135キロ前後(最速136キロ)とやや控えめ。カーブ、スライダーをコーナーへ投げ分ける投球で、6回無失点の投球。

 7回裏に、横須賀総合の1番峯 慶輔(3年)の適時二塁打で1点を失ったが、8回表から再び打線が爆発。
一死二塁から1番三廻部がライト越えの二塁打で1点を追加、2番鈴木陵は敵失で、一死一、三塁とすると、3番菅野が右中間を破る二塁打を放ち、二者生還し、9対1。さらに4番安達がライトフェンス直撃の三塁打を放ち、10対1とする。


 最後は2番手左腕の宮﨑 翔吾(3年)が抑え、投打ともにがっしりかみ合いスイング。向上が、8回コールド勝ちで3回戦進出を決めた。
この日の向上の打撃は、打球そのものが春先よりも鋭さを増しており、この夏へ向けてしっかりと振り込んでいるのが伝わってきた。

 上位下位の選手ともに成長を見せていた。1人ずつ内容が良くなった選手を紹介していきたい。

 1番三廻部は、内野手の間を抜く鋭い打球を放つ選手だったが、打球に角度が付いて、長打が多くなった。2番鈴木陵は外野の頭を越える長打を放ち、力強さが増している。

 昨年から主力の菅野は春季大会では不調だったが、この日は広角に打ち分ける打撃が復活。8回の右中間を破る二塁打。打球の速度、角度の高さといい、久しぶりに菅野らしい打撃を見せてくれた。

 ライトフェンス直撃の三塁打とライト方向へ長打が打てるようになった4番安達。安達は縦振りで振り抜き、インパクトで強く押し込めるようになったことで、より遠くへ飛ばせるようになった。

 183センチ83キロと恵まれた体格を誇り、第1打席でライトオーバーの三塁打を放った6番鈴木翔。に比べて始動を遅らせギリギリまで引きつけて縦で振り抜くようになったので、打球に力強さが増した。
また守備でも魅せた。7回裏に1点を取られた後、直後にレフトの鈴木翔の下へ打球が飛び、鈴木翔はバックホーム。低い軌道で走者を刺した。強肩強打の外野手として見逃せない存在だ。

 今日のような鋭い打球を、どんな相手チームの投手陣に発揮できるようになると、強打・向上と印象付けられるだろう。初戦の戦い方は難しいが、とにかく打って、走って10点をもぎ取った向上
次なる戦いも、試合の主導権を握り勝ち進んでいきたい。

(文=河嶋宗一

【野球部訪問:第138回 向上高等学校(神奈川)】

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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