試合レポート

東海大望洋vs流通経済大柏

2012.09.30

東海大望洋vs流通経済大柏 | 高校野球ドットコム

山田(東海大望洋)

東海大望洋 サヨナラ勝ちで2年連続ベスト4進出!

 東海大望洋流通経済大柏は両投手のテンポの良い投球で、引き締まった好ゲームとなった。
東海大望洋の先発は山田 雄太。纏まりのある好投手だ。
コンパクトなテークバックから振り下ろす直球は目測で、130キロ~135キロほどと突出したスピードではないが、曲がりの大きいスライダー、大きく落ちるカーブのコンビネーションで投球を組み立てる。ストレートは低めに投げ分けることを心掛け、そして変化球はストライクゾーンからボールゾーンへ変化させることを意識させている。直球と変化球の使い分けが上手く安定して試合が作れる投手と感じた。

流通経済大柏の先発は背番号10をつけた東出 恭兵
左腕から投じる直球は125キロ~130キロと速くはないが、低めを意識した投球。膝もとにしっかりと集めることが出来ており、痛打を許さない。スライダー、カーブを織り交ぜ、打たせて取る投球に徹する。

3回裏に東海大望洋が2点を先行し、2対0のまま試合が進行する。このまま終わると思ったら、8回表、流通経済柏が反撃。9番星野 爽太のセカンド内野安打で無死から出塁。1番折橋 駿もセーフティバントを仕掛ける。三塁線へ転がし、折橋の俊足が活きてセーフ。無死一、二塁のチャンスを作る。2番西田 教平の犠打で一死二、三塁。得点圏にランナーを置いて3番岡田を迎えた。

8回表 一死二、三塁。2点リード。二、三塁となれば、前進守備すると考えられる。東海大望洋は前進守備を敷いていた。ただ、裏攻めの東海大望洋としたらそれほど無理する必要がない。逆転されても、2イニング残っているからだ。アウトカウントを一つずつ増やすことが重視した方が良かったと考える。

前進守備はホームでアウトにしやすいが、前進守備をする分、ヒットゾーンを広げることになる。この前進守備が裏目となった。3番岡田 遥平が振り抜いた打球は三遊間を抜ける左安打。定位置ならばショートライナーとなっていてもおかしくない打球であった。まず一人ホームイン。二人目も三塁を回ってホームへ。レフトがファンブルし、オールセーフ。流通経済大柏が同点に追いつく。


東海大望洋vs流通経済大柏 | 高校野球ドットコム

豊田(東海大望洋)

 この2失点。ポジショニングミスが2失点を招いたと考えられる。3番打者となれば、当然打力が上がるわけだから、他の打者に比べればヒットゾーンは広くなり、速い打球を捕らなければならないので、守備のミスの確率も上がる。裏攻めで2点勝っているのだから、そこまでリスクの高い守備はする必要はなかった。

東海大望洋が良かったのは9回表で0にしっかりと抑えたこと。9回裏に、東海大望洋は1番志田 洋樹が死球。2番梅澤 孝弥の犠打で一死二塁となって、3番早川も死球で、一死一、二塁となって4番豊田が高めの直球を捉えてライトの頭を超える長打となり、東海大望洋がサヨナラ勝ちを決めた。

2年連続ベスト4進出を決めた東海大望洋。このチームは身体づくりがしっかりしていて、他のチームに比べて横幅が大きい選手が多い。それほど身長がない選手でも、しっかりとした体格をしている。体力があるということは、発揮されるパフォーマンスは高い。ポテンシャルとしては県内でも有数のチームに入るだろう。

ただ、今回は響かなかったが、一つの守備の位置取りが試合を分けることになる。それによってチームのピンチを救う大きなモノとなったり、致命的なモノになる。試合展開に応じて臨機応変に変更して、様々な条件を照らし合わせて守備位置を取ることが大事だ。

(文=河嶋宗一

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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