百合丘vs座間総合
佐々木君(百合丘)
エース健在の百合丘、好感触の発進に手ごたえ
昨年夏1年生で颯爽と現れて第一シードの橘学苑を6回まで5安打無失点に抑えて、一気にその存在を示した百合丘の左腕佐々木君。
この夏も、敗れはしたものの、第一シードの慶應義塾相手に好投して、着実に成長しているところを示した。
左腕独特の大きなカーブが持ち味だが、ストレートも135キロ前後は出るという。新チームがスタートした早々は、捕手とのコンビネーションがもう一つ合わず、打たれることもあったというが、ここへ来て中村君とのリズムも合ってきたようだ。
宮地洋人監督は、「経験は十分にあるのだから、捕手のサインのままに投げるのではなくて、自分で投球を組み立てて、捕手をリードしていって欲しいくらいだ」という思いで期待している。
それが、練習試合などを重ねながら、徐々にいい感じになってきて、本来の力を出せるようになってきているということだった。
この日は、6イニングを投げて2安打無失点。ただ、4四死球は少し多いかなという印象でもあるが、コーナーを突いていった結果ともいえるかもしれない。2回に失策もあって、1死満塁というピンチを招いたものの、後続をしっかり押さえて安定感を示した。
前日に7回投げて途中で足が攣って降板するなど、必ずしもベストコンディションというわけではないようだが、それでもしっかりとした内容だった。
倉田君(百合丘)
宮地監督と、小池部長も、ここまでは、まずは及第点の投球で好発進という感触を得ているようだ。
また、7回にリリーフのマウンドを踏んだ1年生の倉田君は、中学から正式に野球を始めたというが、身長も高校に入ってから10㎝近く伸びたという遅咲きタイプ。ヒジの柔らからを感じさせたが、体もまだこれからもっとしっかりしていきそうだし、ひと冬越したら、心技体で大きく成長が期待できそうな、伸びシロが感じられるという印象だった。
攻めても、百合丘は1~5回までに、小刻みに得点を重ねていった。
初回は、3番大沼君のタイムリー二塁打で先制し、2回も二つの四球で好機を得ると、2番梶原君の右前タイムリーと中継ミスの間に一塁走者も帰り3点目。3回は、7番村松君、8番中村君が連続タイムリーするなど、上下位ムラなく打った。4、5回にも相手失策もあって、さらに得点を重ねていった。
座間総合としては、先発の中野君が早いイニングから掴まったのも苦しかった。リリーフした佐藤繁君は、何とかかわす投球で粘っていたのだが、守りのミスも痛かった。
(文=手束仁)