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「鹿実」のエース定岡が甘いマスクでアイドルに【ふるさとの夏物語~昭和編】

2022.06.15

「鹿実」のエース定岡が甘いマスクでアイドルに【ふるさとの夏物語~昭和編】 | 高校野球ドットコム
鹿児島実のユニホーム

 2022年も高校球児の目標、夏の甲子園への道がスタートする。今年は「古豪」と言われるチームの復活が話題のひとつとなっているが、「昭和」の時代、1927年(昭2)13回大会から1988年(昭63)70回大会を駆け抜けた代表校を中心に夏の甲子園出場校を振り返る企画「ふるさとの夏物語~昭和編」。今回は鹿児島を紹介する。

 昭和時代に夏甲子園に出場したチームの出場回数上位ランキングは以下の通り。

1位 鹿児島商 12回
2位 鹿児島実 9回
3位 鹿児島商工 6回

 1974年(昭49)、鹿児島実の右腕エースが、シンデレラストーリーのようにひと夏で人生が変わる活躍を演じた。のちに巨人で活躍する定岡 正二投手のことだ。鹿児島商が全盛期だった時代、鹿児島実が夏甲子園を決めると、県内でも無名だった背番号1が躍動する。初戦(2回戦)から2試合連続で完封勝利。そして「伝説」にもなった準々決勝の東海大相模(神奈川)戦で延長15回の末に5対4で勝利する。甘いマスクに加え、巨人・原辰徳監督が1年生だった強豪チーム相手の快投で一躍、時の人となった。試合途中でナイターになり、NHK中継が終わったことで、苦情が殺到したという。これがきっかけで試合中継の延長が始まったとも言われている。

 翌日の準決勝では疲労もあってか走塁中に手首を捻挫して病院へ向かうアクシデントに見舞われる。試合は二塁牽制球がそれてカバーに入ったセンターが後逸してのサヨナラ負け。病院から8回にベンチに戻った定岡が悲劇のアイドルとして後世、語り継がれることになった。

 鹿児島県初代表は1927年(昭2)の鹿児島商で、初勝利もそのときにマークした。最高成績は1994年(平6)樟南の準優勝。鹿児島県勢の通算成績は67勝69敗、勝利数の都道府県ランキングは23位。

★鹿児島県勢の代表回数上位ランキング
1位 樟南 20回  
2位 鹿児島実 19回 
3位 鹿児島商 13回 
4位 神村学園 5回
5位 鹿児島玉龍 4回 

★鹿児島県勢の甲子園勝利数上位ランキング
1位 樟南 24勝(準優勝1回、4強1回、8強4回)
2位 鹿児島実 18勝(4強2回、8強2回)
3位 鹿児島商 14勝(4強1回、8強3回)
4位 神村学園 4勝
5位 鹿児島工 3勝(4強1回)

[page_break:鹿児島の夏甲子園出場校一覧]

【鹿児島の夏甲子園出場校一覧】
1回 1915(大4) ―
2回 1916(大5) ―
3回 1917(大6) ―
4回 1918(大7) ―
5回 1919(大8) ―
6回 1920(大9) ―
7回 1921(大10) ―
8回 1922(大11) ―
9回 1923(大12) ―
10回 1924(大13) ―
11回 1925(大14) ―
12回 1926(大15) ―
13回 1927(昭2) 鹿児島商
14回 1928(昭3) 鹿児島商
15回 1929(昭4) 鹿児島商
16回 1930(昭5) 鹿児島二中
17回 1931(昭6) ―
18回 1932(昭7) ―
19回 1933(昭8) ―
20回 1934(昭9) ―
21回 1935(昭10) ―
22回 1936(昭11) 鹿児島商
23回 1937(昭12) ―
24回 1938(昭13) ―
25回 1939(昭14) ―
26回 1940(昭15) ―
27回 1941(昭16) 戦争のため中止
   1942(昭17) 戦争のため中止
   1943(昭18) 戦争のため中止
   1944(昭19) 戦争のため中止
   1945(昭20) 戦争のため中止
28回 1946(昭21) 鹿児島商
29回 1947(昭22) ―
30回 1948(昭23) ―
31回 1949(昭24) ―
32回 1950(昭25) ―
33回 1951(昭26) ―
34回 1952(昭27) ―
35回 1953(昭28) 甲南
36回 1954(昭29) ―
37回 1955(昭30) ―
38回 1956(昭31) ―
39回 1957(昭32) ―
40回 1958(昭33) 鹿児島玉龍
41回 1959(昭34) ―
42回 1960(昭35) 出水商
43回 1961(昭36) 鹿児島実
44回 1962(昭37) 鹿児島商
45回 1963(昭38) 鹿児島
46回 1964(昭39) 鹿児島玉龍
47回 1965(昭40) 鹿児島玉龍
48回 1966(昭41) 鹿児島実
49回 1967(昭42) 鹿児島
50回 1968(昭43) 鹿児島商
51回 1969(昭44) 鹿児島商
52回 1970(昭45) 鹿児島商工
53回 1971(昭46) 鹿児島玉龍
54回 1972(昭47) 鹿児島商
55回 1973(昭48) 鹿児島実
56回 1974(昭49) 鹿児島実
57回 1975(昭50) 鹿児島商
58回 1976(昭51) 鹿児島実
59回 1977(昭52) 鹿児島商工
60回 1978(昭53) 鹿児島実
61回 1979(昭54) 鹿児島実
62回 1980(昭55) 川内実
63回 1981(昭56) 鹿児島実
64回 1982(昭57) 鹿児島商工
65回 1983(昭58) 鹿児島実
66回 1984(昭59) 鹿児島商工
67回 1985(昭60) 鹿児島商工
68回 1986(昭61) 鹿児島商
69回 1987(昭62) 鹿児島商工
70回 1988(昭63) 鹿児島商
71回 1989(平1) 鹿児島商工
72回 1990(平2) 鹿児島実
73回 1991(平3) 鹿児島実
74回 1992(平4) 鹿児島商工
75回 1993(平5) 鹿児島商工
76回 1994(平6) 樟南
77回 1995(平7) 鹿児島商
78回 1996(平8) 鹿児島実
79回 1997(平9) 鹿児島実
80回 1998(平10) 鹿児島実
81回 1999(平11) 樟南
82回 2000(平12) 樟南
83回 2001(平13) 樟南
84回 2002(平14) 樟南
85回 2003(平15) 樟南
86回 2004(平16) 鹿児島実
87回 2005(平17) 樟南
88回 2006(平18) 鹿児島工
89回 2007(平19) 神村学園
90回 2008(平20) 鹿児島実
91回 2009(平21) 樟南
92回 2010(平22) 鹿児島実
93回 2011(平23) 神村学園
94回 2012(平24) 神村学園
95回 2013(平25) 樟南
96回 2014(平26) 鹿屋中央
97回 2015(平27) 鹿児島実
98回 2016(平28) 樟南
99回 2017(平29) 神村学園
100回 2018(平30)鹿児島実
101回 2019(平31)神村学園
102回 2020(令2)(コロナで中止)
103回 2021(令3) 樟南

※鹿児島二中=現・甲南
 鹿児島商工=現・樟南
 川内実=現・れいめい

(文=浦田由紀夫

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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