阪神高卒2年目のドラフト7位・高寺が奮闘!投手ではルーキー左腕2人に期待
高校時代の高寺 望夢(上田西)
2月も下旬に差し掛かり、練習試合やオープン戦など、対外試合が増えてきた。ここで新人を含め1軍での実績のない若手選手たちは、開幕1軍入りをつかむためにも、ここからさらなるアピールが必要になってくる。今シーズン、期待のかかる選手たちを各球団ごとに取り上げてみた。
昨シーズンの阪神は佐藤 輝明内野手(仁川学院出身)、中野 拓夢内野手(日大山形出身)、伊藤 将司投手(横浜高出身)の3人のルーキーが戦力となった。今年は鈴木 勇斗投手(鹿屋中央出身・2021年2位)と桐敷 拓馬投手(本庄東出身・2021年3位)の両左腕が1軍キャンプに参加。この2人に即戦力としての期待がかかっている。
ドラフト2位の鈴木は2月20日の練習試合(中日戦)で対外試合デビューを飾った。この試合で鈴木は四球を1つ与えたものの、1回無安打無失点でマウンドを降りた。24日の紅白戦でも四球を1つ出したものの次打者を併殺打に打ち取り無失点。ここまでは順調だ。
一方の桐敷も20日の中日戦で1回無安打無失点、1奪三振と上々のデビュー。先発ローテーション候補としての評価が高まっている。
阪神の先発ローテーションを見ると青柳 晃洋投手(川崎工科出身)、西 勇輝投手(菰野高出身)、秋山 拓巳投手(西条高出身)、ガンケル、伊藤 将司の5人はアクシデントがなければほぼ当確。12球団で見ても有数の先発ローテーションを形成している。そして残った最後の1枠をルーキーふたりや先発挑戦中の及川 雅貴投手(横浜高出身)らで争うことになる。両投手ともオープン戦でもさらなるアピールが必要になりそうだ。
野手では高卒2年目の高寺 望夢内野手(上田西出身・2020年7位)が奮闘している。ルーキーイヤーだった昨シーズンは1年間2軍でプレーし58試合に出場。打率.162(136打数22安打)、1本塁打の成績だった。しかし、今春季キャンプでは1軍に抜擢されると、ここまで2軍に降格することなく帯同を続けている。
2月20日までの練習試合5試合全てに出場し、そのうち2試合はスタメン起用だった。打率.250(8打数2安打)と目立った成績ではないものの、二塁、三塁、遊撃と3つのポジションで守備についており起用の幅は広い。いきなりのレギュラー獲得は難しくとも、攻守で結果を残せば1軍入りは不可能ではなさそうだ。
阪神の野手では、高卒でプロ入りした選手のレギュラー獲得は少ない。現在の主力を見ても大山 悠輔内野手(つくば秀英出身)、近本 光司外野手(杜出身)、佐藤 輝明内野手(仁川学院出身)、中野 拓夢内野手(日大山形出身)ら大卒や社会人出身の選手ばかり。
過去5年を見ても高卒でプロ入りした生え抜きの野手で規定打席に到達したのは、2017年の中谷 将大外野手(現ソフトバンク=福岡工大城東出身)だけしかいない。
チャンスを貰っている高寺は今年、飛躍のきっかけをつかむことができるか注目だ。
(記事:勝田 聡)