アミノ酸スコアを知っていますか
皆さんはアミノ酸スコアという言葉を知っていますか。普段は体づくりのためにトレーニングに励み、食事面では組織のもととなるタンパク質を特に意識して摂るようにしていると思います。タンパク質は20種類のアミノ酸の組み合わせによって構成されており、この中には体内で生成されない9種類の必須アミノ酸が含まれます。アミノ酸スコアはこの必須アミノ酸が必要量に対し、食品にどのくらい含まれているかを示す指標として用いられています。タンパク質の栄養価を示すアミノ酸スコアは100に近いほどよく、9つのうち1つでも不足する必須アミノ酸があれば、その数値が食品のアミノ酸スコアとなります。アミノ酸スコアが100の食品は9種類の必須アミノ酸がすべて満たされた「良質のタンパク質源」とも言えます。
アミノ酸スコアは一つひとつの必須アミノ酸を板にみたてた桶に例えられます。アミノ酸スコア100の桶(左)では全てのアミノ酸が満たされているため、桶の中の水(タンパク質)がこぼれないようになっています。これは体内で十分なタンパク質が生成されることを表しています。一方、一つでも不足する必須アミノ酸があると一番低い板の高さまでしか水(タンパク質)をためることができません。9つある必須アミノ酸のすべてがバランスよく含まれることでアミノ酸スコアは高くなり、体内で十分なタンパク質が生成されるようになります。
主な食品のアミノ酸スコア※を見てみましょう。
(100)牛肉、豚肉、鶏肉、魚類、豆腐、卵、牛乳、ヨーグルトなど
(93)精白米(うるち米)、(51)食パン、うどん、(49)スパゲッティー
(95)キャベツ、(85)トマト、(67)しょうが、(66)タマネギ 等
タンパク質摂取を意識した食事を摂るときは、アミノ酸スコアを参考にしながら食材を組み合わせてみましょう。特にアミノ酸スコアが100に満たない食材であっても、複数の食材と組み合わせることにより、アミノ酸スコアは向上し、体内で効率的にタンパク質を合成することができると考えられます。
主食を例に考えてみると、ご飯を白米としてそのまま食べるよりも、鮭フレークを加えたり、鰹節をまぶしておかか飯にするだけでアミノ酸スコアは100になります。卵かけご飯、納豆かけご飯などもいいですね。パン食の場合も卵をプラスしたり、ヨーグルトを添えたりすることでアミノ酸スコアが100になります。
トレーニング効果を高めるタンパク質摂取は、食品のアミノ酸スコアにも注目して摂るように心がけてみてくださいね。
※日本食品標準成分表 2015 年版(七訂)アミノ酸成分表編 より
文:西村 典子
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