試合レポート

千葉経大附vs袖ヶ浦

2016.07.16

千葉経大附バッテリーが試合を決める

 Aシードの千葉経大附と公立でも実力校として注目される袖ヶ浦の一戦は接戦となった。
千葉経済大附の先発・千葉経大附中村亮太(3年)。春の時点でも130キロ後半の速球を投げ込んでいた投手だが、立ち上がりから135キロ~140キロを計測。140キロを計測したのは1球だけだが、以前よりも角度と重量感を感じるようになった。

千葉経大附の右投手でこれほど威力あるストレートを投げられる投手も久々だ。さらに120キロ前後のスライダー、125キロ前後のフォークも精度も高く、簡単には打ち崩せないものを感じた。しかし袖ヶ浦打線が中村の投球にくらいつき、ファールで粘ったりする姿勢を見せていた。

 4回裏、千葉経大附坂巻尚哉(3年)が外角球を捉えて豪快な2ランで2点を先制するが、5回表には二死満塁から嶋崎翔太(3年)のライト前へ落ちる2点適時打で2対2の同点に追いつく。これぞ執念の2点適時打。だが7回裏、二死三塁から中村の適時打で勝ち越しに成功すると、8回裏には、再び満塁から保谷雄志(3年)の2点適時打で5対2とした千葉経済大附

 最後は中村が締めて、千葉経大附が3回戦進出を決めた。

 袖ヶ浦の粘りは非常に嫌らしく、シード校を破ってもおかしくない実力があった。それを乗り越える粘りがあった。そして簡単にはミスをしない盤石な守備力。しっかりと我慢をしたからこそ、7回、8回につなげることができたのだ。

 今回は千葉経大附のバッテリーは良かった。中村は袖ヶ浦の粘りにしっかりと耐え、最後まで両サイドへの制球力が安定。ここぞというときに決まった低めのストレートはみごとだった。最終回になっても138キロを計測。スタミナも出てきて、まさにエースらしい投手へ成長してきた。

 そしてホームランを含む3安打を放った捕手の坂巻。やや外回りのスイング軌道になっているのが気になるが、右中間へ鋭い打球を打てるのは魅力で、走り方が良く、なかなか脚力ある選手。3安打目は、絶妙なセーフティバントだった。そして一番の武器である強肩。1.90秒~2.15秒前後を計測し、ズバッと二塁手のグラブへストライクスローが決まった瞬間、観客がどよめくほどだった。久しぶりの大型バッテリー。さらにチームの雰囲気もここ数年では一番良い。再び甲子園を狙える雰囲気を感じさせた。

(文=河嶋 宗一

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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