試合レポート

仙台大vs青森大

2022.10.29

4年生右腕・佐藤が8回11奪三振無失点!仙台大が投打で圧倒し決勝進出

仙台大vs青森大 | 高校野球ドットコム
8回無失点の好投を見せた仙台大・佐藤亜蓮

<第14回東北地区大学野球代表決定戦:仙台大6-0青森大>◇29日◇1回戦◇仙台市民

 明治神宮大会出場をかけた東北地区大学野球代表決定戦。初日の第2試合は、仙台大(仙台六大学野球連盟優勝)と青森大(北東北大学野球連盟優勝)のマッチアップとなった。2年連続の出場を目指す仙台大は、先発・佐藤 亜蓮投手(4年=由利工)が8回2安打11奪三振無失点と好投。打線は2、6、7回に2点ずつを奪い、6対0で快勝した。

 先発マウンドを託された佐藤は初回、先頭打者に安打と盗塁を許す苦しい立ち上がりとなったが、「最悪1点取られても味方が取り返してくれると思った」と、慌てることなく後続を抑え無失点で切り抜けた。2回は威力のある直球で押し切り三者連続三振。その後は右肩上がりに調子が上向き、4回に四球、6回に安打で走者を背負っただけで三塁は踏ませず、8回まで0を連ねた。

 大学では救援登板が多かったが、今秋は左のエース・長久保 滉成投手(4年=弘前学院聖愛)がケガで出遅れたこともあり開幕2戦目でリーグ戦初先発。この試合では5回無失点と好投した。リーグ戦終盤は再び中継ぎに回ったが、今大会は右のエース・川和田 悠太投手(3年=八千代松陰)が登録メンバーを外れるアクシデントもあり先発を任された。リーグ戦での先発経験が生き、文句なしの快投。「ファーストストライクを取って、自分の投球をするというテーマ通りに投げられた」。大役を果たし、胸をなで下ろした。

 一方の打線は投手の佐藤が8番に入り、森本吉謙監督が重視する9番にはリーグ戦で5打数2安打だった竹ノ内 康外野手(3年=中部大春日丘)が起用された。2回、2死から7番・小笠原 悠介内野手(4年=北海道栄)、佐藤の連打で好機をつくると、竹ノ内が中前への適時打を放ち先制。パスボールの間の得点でさらに1点を加えた。

 6回は小笠原の適時三塁打と1番・川島 優外野手(3年=山村学園)の適時打で、7回は竹ノ内の押し出し四球と川島の押し出し死球で、それぞれ2点を追加。指揮官がリーグ戦から意識してきた下位から上位につなぐ野球が見事に機能し、着実にリードを広げた。

 投打で圧倒し、昨秋王者の実力を見せつけた仙台大。東北地区代表の明治神宮大会初戦の相手は国学院大(東都大学野球連盟代表)に決まっており、仙台大にとっては昨年の同大会で敗れた宿敵だ。決勝も勝利し、再戦に臨みたい。

 青森大は持ち味を発揮することができなかったが、1番の名原 典彦外野手(4年=瀬戸内)が2安打2盗塁と孤軍奮闘。広島から育成1位指名を受けたリードオフマンが、敗戦の中で意地を見せた。名原は大学最後の試合を終え、「試合には負けてしまったけど、後輩たちに先輩の在り方を見せることはできたと思う」とすがすがしい表情で語った。

(取材=川浪康太郎

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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