志布志vs沖永良部
安定感は出てきた・沖永良部
志布志・庄司竜(奄美新聞提供)
<第104回全国高校野球選手権鹿児島大会:志布志4-0沖永良部>◇9日◇1回戦◇[stadium]鴨池市民[/stadium]
2回裏、志布志は2死から連続四球で一、二塁とし、8番・野村 誠斗(3年)の左前適時打で先制した。
3回も連続四球を足掛かりに4番・川越 鷲峨(3年)の犠牲フライで追加点を挙げた。
6回は8番・野村の犠牲フライ、7回は3番・屋野 球真(1年)の右前適時打で点差をジリジリと広げた。
先発した背番号5の庄司 竜翼(3年)は、サイドスローから丁寧な投球が最後まで崩れず、被安打7で完封した。
最後まで本塁が遠かった沖永良部だが「これまでの大会の中で一番安定感があった」と3回途中からリリーフした木下 慎喜(2年)は言う。
昨秋は国分に1対21の大敗。「悔しい中で自分たちの課題に真剣に取り組んだ」(末川 俊助主将・3年)。投手を中心にした守備を鍛えた。初回を三者凡退で切り抜け、4失点を喫したが各イニング最少失点で切り抜けた。
エース和田 麗夢(2年)から木下への継投は「最初から考えていた」(坪内 真吾監督)。3回、連続四球、犠牲フライで2点目を失ったところでスイッチ。「最初から行く準備はできていた」(木下)と三振で切り抜け、後続を断った。
その後も「直球も走って、変化球もしっかり指にかかっていた」とテンポ良く投げ続けた。5回から7回まで先頭打者を出しながら、大きな失点につながらなかった。
欲を言えば「打者を助ける一塁走者の積極的な動き」(坪内監督)ができなかったのが今後の反省だ。初回、1番・和田が四球で出塁しながらも思い切った盗塁ができず、中途半端なタイミングで走ってアウトになり、得点できなかった。点を取って勝つためには、そういった部分を鍛え上げることが必要になる。
好投した木下も「良い球は投げられたけど、失点する前に気持ちの切り替えがうまくできなかった」ことを反省する。この1年間の公式戦を経験できた8人の2年生とこの夏を経験した1年生2人、この秋は単独チームで末川主将の果たせなかった「まず1勝」を目指す。
(取材=政 純一郎)