試合レポート

東海大相模vs横浜商大高

2021.09.25

東海大相模vs横浜商大高 | 高校野球ドットコムこの試合のプレー写真は、記事の最終ページの下部に表示されています

まるで柳裕也!東海大相模・庄田が13奪三振完封&全試合コールド勝ちで決勝進出

東海大相模vs横浜商大高 | 高校野球ドットコム
先発・庄田聡史(東海大相模)

 東海大相模は、ここまで快投を見せている141キロ右腕・濱田大翔相手にも確実な攻めで攻略した。

 1回裏、二死から4番求航太郎のライトオーバーの適時三塁打でまず1点を先制し、2回裏、先頭の武井京太郎が二塁打でチャンスを作り、二死三塁から9番庄田聡史の遊撃内野安打で1点を追加。3回裏には、バントヒットから1点を追加し、4回裏には1番伊藤の適時打、敵失で5対0とリードを広げる。

 甘い球を逃さず、シャープなスイングで次々と安打性の打球を飛ばす東海大相模打線のしたたかな打撃は打撃内容は素晴らしいものがある。東海大相模のウリであるアグレッシブベースボールもこの試合で発揮し、2盗塁を絡め、横浜商大高の内野陣、バッテリーにプレッシャーを与える。こうなると横浜商大高の選手たちもこれまで見せていた堅守に乱れが出てしまい、4失策。本来の野球ができていなかった。

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先発・庄田聡史(東海大相模)

 準々決勝で完投勝利を上げた庄田聡史が安定した投球。ゆったりとワインドアップから始動し、左足をじっくりと上げて、右足で立つ形はバランスが良い。軸足にしっかりと体重を乗せて、下半身主導の投球フォームで投げ込む。ストレートは130キロ〜135キロ前後なのだが、球速表示以上に勢いを感じさせる。何より素晴らしいのは変化球の精度の高さだ。120キロ前後のスライダー、チェンジアップ、ツーシーム、カットボール、110キロ前後のカーブといずれも手元で鋭く変化させ、横浜商大高で最も打撃センスがよい木下騰吾には変化球中心の攻めで連続三振を奪うなど、投球が冴え渡っていた。勢いある直球を見せつつ、変化球中心の攻めでも強く腕を振ることを忘れなかった。

「まず木下選手については、警戒していた選手でしたので、変化球中心で攻めました。変化球の球種が多いことで、投球の幅も広がるので、意図的に増やしてきました」

 基本的に外角中心にキレの良いストレートで構成し、左打者には低めにチェンジアップを落として三振を奪え、右打者には外角に曲がりが小さいスライダーを投げることができる。
最終的には3安打、13奪三振の完封勝利を挙げた。県内でも上位に入る打力を誇る横浜商大高に、この勝利は非常に大きい。

 投球スタイルとしては高校時代の柳裕也横浜-明治大-中日)を彷彿とさせるものだった。庄田自身、直球のスピードで勝負する投手ではないと自覚しているところがよく、今の投球センスのまま、アベレージのスピードが5キロ以上レベルアップすれば、卒業後も強豪チームでプレーできる可能性はありそうだ。

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ライトゴロに終わった塩沼(横浜商大高)

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先制適時三塁打を放つ求航太郎(東海大相模)

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5番ファースト・木下騰吾(横浜商大高)

(記事=河嶋 宗一

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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