拓大一vs都立小松川
快刀乱麻のピッチング!11奪三振の高橋鼓太朗が勝利を呼び込む!!
勝利した拓大一ナイン
身長188㎝体重80㎏の大型右腕。周りの選手と比べて頭一つ抜きん出るその姿はすぐに目に留まった。最速140㎞に迫るストレートと鋭いスライダーやチェンジアップを武器にピッチングを展開した高橋鼓太朗(2年)が主役級の活躍を披露。
初回、4番・鈴木椋晴(2年)の犠牲フライで幸先良く1点を先取した拓大一。
いきなり援護をもらった高橋鼓太朗は期待に応えるピッチングをしていく。「初回から飛ばしすぎた」と語ったように、1番・森秀俊(2年)を空振り三振に切る。続く2番・領毛裕章を見逃しの三振。ヒットを許した後に4番・大関零(2年)を空振り三振と初回からアウトを全て三振で奪う素晴らしい滑り出し。
その好投に打線も応えていく。
先頭の6番・笠倉大聖(2年)がヒットで出塁すると、8番・高橋、9番・大高碧斗(2年)が連続ヒットで追加点を奪う。さらに相手の失策も絡みこの回3点を重ねる拓大一打線。
2回裏の高橋のピッチング。5番・井上幹太(1年)を空振り三振に切ると後続も三振に切り、初回の好投を継続させるかのような素晴らしいピッチング。3回裏に1点を失うもピンチに動じず自身のあるストレートを投げ込んでいく。
元気のあった拓大一打線だったが、中盤は沈黙。拓大一の松井貴寛監督も「流れを作るまでは良かったが、ここぞの1本がまだ出ない。今日の中盤のようにチャンスがなく元気のない雰囲気を打破するような選手が居ません」と中盤の沈黙に対して選手に課題点を与える。
髙橋鼓太朗(拓大一)
すると、その流れを好投続ける髙橋も引きづってしまう。序盤のような力強いストレートは中盤から影を潜め、四死球を連発。松井監督も「ムラのある投手」と評するように、細かいピッチングが出来なくなってしまう傾向が見えた。
しかしその後、力をもっと抜けとアドバイスされた高橋は、ギアを入れ直し8回11奪三振でマウンドを降りた。
試合は7対1で拓大一が、都立小松川を下し次戦へ駒を進めた。試合の中身を見ていくと、攻め立てるところで攻めきれていないのが印象として残る。昨夏と今夏を経験している選手が多数いる拓大一。2年前に夏ベスト16に行った時と比べて「気持ちの面での泥臭さが足りない」と松井監督は語る。関東一との対戦が決まり好投の高橋は、「今日以上にコースを突くピッチングをしていきたい」と誓った。
今夏の甲子園ベスト8の関東一にどこまで対抗出来るか。大型右腕の高橋の投球に目が離せない。
(取材=編集部)