試合レポート

都立大島vs都立狛江

2014.10.18

都大島、18安打12得点の猛攻!都狛江に7回コールド

都立大島vs都立狛江 | 高校野球ドットコム

同点に追いつく都立狛江

 昨年10月、伊豆大島を襲った台風26号に伴う土砂災害の影響で、都立大島のグラウンドが使えるようになったのは、今年7月の終わりだった。それでも、元の通り、すべてを使える完全な状態に戻ったわけではない。まだグラウンド内には、デコボコした足場が多く残る。

フリーバッティングに至っては、この一年間、一切できていない。そんな中でも、選手たちは、素振りやティーバッティングに専念することで、打撃力を磨いてきた。
「素振りは毎日400回、ティーバッティングも前、斜め、上からなど様々なコースから1人2組で、多い時は500球は打っています」(3番・武田岳志
天野一道監督も、
「限られた環境で、限られたメンバーでやるからこそ、練習に対して集中力が出てきました」と、夏場も地道に続けてきた練習が、この秋季大会で発揮されてきた。

ブロック予選では、2回戦で都立小川に9回サヨナラ、8対7で勝利。代表決定戦では文京に12対6と打ち勝ってきた。

しかし、進んだ本大会では、先週の台風19号の影響で休校もあり、さらにテスト週間だったため、万全な状態で大会に挑めたわけではなかった。
そんな中でも、この日、都立狛江相手に計18安打の猛攻をみせる。

都立大島は初回、1番諸田涼斗(1年)が四球で出塁すると、2番山口玲稲(1年)の犠打で一死二塁と先制の好機を作る。ここで、3番武田岳志(1年)が左前打、4番常川光輝(1年)が中前打で続いて、まず1点を先制した都立大島

都立狛江も、その裏。1番吉田優太(1年)が四球で出塁。3番永井大貴(1年)の二ゴロと相手守備のエラーの間に、吉田は三塁へ進むと、4番森 大樹(2年)の左前適時打でランナー2人が生還し、逆転に成功。

しかし、都立大島も流れを譲らない。
3回表には、1番諸田が相手エラーで出塁。2番山口のバントヒット。さらに4番常川の左前適時打で、1点を追加。
4回にも、7番浜部航史郎(2年)の内野安打、8番星 凌太朗(2年)が四球。9番吉岡風優人(2年)のゴロも相手失策を誘って、無死満塁のチャンスを作る。


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先発した浜部(都立大島)

 この好機に1番諸田は、センターへの犠飛を放ち、三走の浜部が生還。続く2番山口のセカンドゴロの間に、もう1点を追加。
さらに、3番武田岳志(1年)の適時打。

その後も都立大島打線の勢いは止まらず、5番西尾柊平(1年)、6番山田理央(1年)の連打でこの回、一挙4点を挙げ、6対2と都立狛江を引き離す都立大島

5回からは、都立狛江は、先発村上紘大(2年)に代えて、2番手渡邉大志(1年)をマウンドに送るも、一死から、9番吉岡がレフト越え二塁打でチャンスメイク。ここで吉岡がすかさず三盗を決めると、1番諸田が中前適時打で還して、7対2に。

さらに7回。
都立大島は打者一巡の猛攻をみせる。
先頭の8番星のライトへの二塁打を皮切りに、9番吉岡のバントヒット。その後、3番武田からの5者連続安打で、この回、計5点を奪取。12対2と大量リードを広げた都立大島

一方で、都立狛江は、7回裏。都立大島の先発浜部-2番手山田理央(1年)の継投に、この回も三者凡退に終わり、ゲームセット。試合は7回コールド、12対2で都立大島が勝利した。

2年生4人、1年生8人と若いチームながら、強打で3回戦に駒を進めた都立大島。天野一道監督は、試合後、「序盤は硬さもありましたが、後半から伸び伸びやってくれました」と振り返った。

また、先発した浜部は、
「最初は緊張していましたが、みんなが点を取ってくれたので、優位に試合を進めることが出来ました。中盤からストレートも決まってきて、いつも通りの打ち取るピッチングができて良かったです。次の試合でも、思いっきりやるだけです!」と意気込みを語った。
次の相手は、帝京。これまでの3試合で、32得点奪った勢いそのままに、挑んでいきたい。

(文=安田未由

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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