試合レポート

柏日体vs八千代松陰

2014.07.17

やはり頼みはエース! 柏日体が八千代松陰の粘りを振り切り、4回戦進出!

 近年、急速的に力を付けており、2012年夏準優勝を経験し、この夏もCシードとして登場の柏日体
対戦するのは八千代松陰。チームを率いる大木陽介監督は多田野数人(北海道日本ハムファイターズ)とバッテリーを組んで、1998年夏に甲子園出場した甲子園経験監督である。
大木監督の下、八千代松陰は攻守ともに力のあるチームに成長しており、簡単に勝てるチームではない。

 2回表、八千代松陰は、1番星田 嶺央(2年)の2点適時打で先制する。
だが3回裏、柏日体八千代松陰の先発・安倍 悠三(3年)から二死満塁から7番佐藤 龍太郎(3年)の左前適時打で二者生還し、同点に追いつくと、中継の間の乱れで、二死二、三塁となって、8番菊地 昇(3年)が高めに入る直球を逃さず、二者生還し、逆転に成功。八千代松陰を4対2と突き放す。

 しかし八千代松陰も黙っていない。直後の4回表、一死一、二塁から1番星田の左前適時打で、4対3と1点差に迫ると、一死二、三塁でバッテリーミスが飛び出しサードランナーが生還し4対4と同点に追いつく。

 5回裏、柏日体は一死二、三塁から8番菊地の絶妙なスクイズが決まり、5対4と勝ち越すが、勢いのある八千代松陰を突き離す事が出来ない。そこが気がかりであった。

 すぐに危機は訪れ、6回表、一死から連続四球で一、二塁。嫌な流れである。

 ここで柏日体は3回から登板していた2番手の田原 一輝(3年)から背番号1の白銀 滉大(3年)へスイッチ。
白銀は右のサイドハンドながら、常時135キロ前後の速球を投げ込む。力を入れれば、最速139キロを計測するサイドハンドだ。そして打者の手元で鋭く曲がるスライダーも素晴らしく、左打者にもしっかりと投げられる度胸と制球力の高さがある。


 マウンドに登った白銀はピンチでも慌てる様子はなく、後続の打者を打ち取り、同点を阻止した。
白銀は相手のチャンスの場面でも動じずにピンチを切り抜けられる度胸の強さがあるからこそ、背番号「1」として投げることが出来るのだろう。

 8回表、再び一死一、二塁のピンチも迎えるも投ゴロ併殺に打ち取った。
その裏、柏日体は二死二、三塁。5番朏 仁矢(2年)。
2ストライクと追い込んだところで、投手・安倍が二塁けん制。それを見た三塁走者・矢嶋 拓未(3年)が一気に本塁へ。バックホームするもの間に合わず。ホームスチールで6点目を入れた。八千代松陰内野手陣の隙をついた見事な走塁だった。

 そして9回表、白銀の速球とスライダーが冴え渡り、アウトはすべて三振に取り、試合終了。

 柏日体が4回戦進出を決めた。
やはりここぞという場面ではエース。白銀が期待通りの投球を見せて、八千代松陰の反撃を凌いだ。

 千葉県の3回戦進出となると、簡単には勝てない。どの学校も、投打ともにレベルの高いチームが出揃う。
そこで大事なのはピンチ、チャンスの時に実力を出せる精神力の強さ。
白銀のピンチの強さはもちろんだが、5回裏にスクイズで確実に1点をもぎ取り、そして8回には相手が油断しているところを突いてのホームスチール。抜け目ない野球が出来ていた。

 次は拓大紅陵と対戦。お互い駆け引きで勝負ができるチームだけに、終盤まで手に汗握る試合展開が期待できそうだ。

(文=河嶋宗一

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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