News

体の前面を伸ばそう

2020.06.26

体の前面を伸ばそう | 高校野球ドットコム
体の前面部にある筋肉をしっかり伸ばしてから、背筋などの後面部を鍛えよう

 私たちは日常生活はもちろん、スポーツの場面においても、前を向いて動作を行うことが圧倒的に多く、頭が前に倒れるような姿勢が続くと背中が丸くなってしまう猫背姿勢になりがちです。投球動作では腕を後ろから前に投げ出すように繰り返すため、体の前面にある筋肉が繰り返し収縮して働き、背中側とのバランスが崩れてくると肩関節そのものが少し前側に移動することなども見られます。走る動作においても体の前側にある大腿四頭筋の方が、後側にあるハムストリングスよりも大きな力を発揮することが知られており、大腿四頭筋が十分に伸ばされない状態では股関節の動きにも影響を及ぼします。

 このようなバランスを改善するためには技術練習とともにトレーニングを行うことが必要不可欠ですが、体の後面にある筋肉をより効果的に働かせるためには、動作の支障となりやすい前側の筋肉をまず伸ばすことから始めましょう。例えばウエイトトレーニングの一つであるベンチプレスは大胸筋を収縮させることで「押す力」を強化しますが、大胸筋があまりにも強く筋肉の短縮が見られると、スムーズに腕を挙げることがむずかしくなります。トレーニングをした後には入念にストレッチを行い、スポーツ動作の妨げにならないように整えることが大切になってきます。

 体の前面部で意識してほしい部位は個人によっても変わりますが、特に顕著に見られやすいのが、首の前面にある胸鎖乳突筋や大胸筋、股関節の付け根にある腸腰筋、太もも前面部の大腿四頭筋などです。これらの筋肉をあらかじめストレッチしておくと、体の後面にある筋肉はより自由に動きやすくなります。体の前面部にある筋肉を十分に伸ばした後にトレーニングを行うと、関節可動域を十分に使うことができるので、より効果的な筋力強化が見込めることになります。体の前面部にある筋肉は意外といつも緊張していることが多く、それがブレーキとなってスムーズな動作を妨げたり、姿勢を崩す一因にもなりますので、日頃から意識してストレッチを行うようにしてみましょう。

文:西村 典子
球児必見の「セルフコンディショニングのススメ」も好評連載中!

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.27

【鹿児島NHK選抜大会】出水工が延長に及ぶ激戦を制して、サヨナラ勝ち

2024.05.27

【鹿児島NHK選抜大会】伝統の「中玉戦」は鹿児島玉龍の完封勝ち!

2024.05.27

【鹿児島NHK選抜大会】開幕戦は延長11回に及ぶ激闘!川内商工が5点差をひっくり返し、逆転サヨナラ!

2024.05.27

【鹿児島NHK選抜大会】樟南vs鹿児島商 かつて「御三家対決」は、樟南が逆転勝利!

2024.05.28

春の福岡地区を制した沖学園(福岡)、勝利のカギは異例の「決勝直前沖縄合宿」だった

2024.05.26

【春季関東大会】常総学院・中村虎汰郎が二刀流の活躍で決勝進出に貢献!9回にはサヨナラに繋がるヒット!投手としてはセンバツ後に再転向で連日の好リリーフ!

2024.05.22

【愛知・全三河大会】三河地区の強豪・愛知産大三河が復活の兆し!豊川を下した安城も機動力は脅威

2024.05.22

【春季関東大会】センバツVの両エース打ちで勝利に貢献!逆転タイムリー放った池田翔吾(常総学院)は指揮官も絶賛の打棒の持ち主!

2024.05.23

【鹿児島NHK選抜大会展望】本命・神村学園、対抗馬・鹿児島実、2強の牙城を崩すのは?

2024.05.25

【関東】白鷗大足利が初、逆転サヨナラの常総学院は15年ぶり決勝<春季地区大会>

2024.04.29

【福島】東日本国際大昌平、磐城、会津北嶺、会津学鳳が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.05.21

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.29

【岩手】盛岡中央、釜石、水沢が初戦を突破<春季地区予選>

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.13

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在29地区が決定、愛媛の第1シードは松山商