試合レポート

弥栄vs相模原

2018.08.18

北相地区の実力公立校同士の対決は弥栄が制する!

弥栄vs相模原 | 高校野球ドットコム
5失点完投勝利の河野翔英(弥栄)

 8月18日、県大会を目指す秋季神奈川地区予選が始まった。各ブロックでリーグ戦が行われるこの大会は、ブロックごとで強豪校同士のつぶし合いがある。北相地区では、いきなり北神奈川大会ベスト8の県立相模原と同じくベスト8の弥栄と相模原市の実力公立校同士の対決が行われた。

 弥栄は夏のエース・河野翔英、捕手・大國雅也のバッテリーがそのまま残り、ベンチ入りしていた2年生が主力となっている。一方、相模原は主力のほとんどが抜け、経験値という面では弥栄が上回る。試合は最後まで手に汗握る一戦となった。

 まず先制したのは、弥栄。無死満塁から犠飛で1点を先制。しかし相模原は先発の河野の力強い速球の前に苦しんでいたが、3回表、一死二塁から1番坂手裕太。高めのストレートを振り抜き、逆転2ラン。さらに3番中野も本塁打を放ち、3対1と点差を広げた。

 県立相模原の先発・天池は右サイドから速球、スライダー、チェンジアップを低めに丹念に集めて、無失点に抑えていたが、5回裏、先頭打者の四球からチャンスを作り、1番森川。ここがターニングポイントとなった。相模原はバントとエンドランを警戒。慎重に攻めていったが、森川は高めに浮いたストレートを逃さず、レフト前ヒット。さらに守備のミスもあり、無死二、三塁のチャンスを作った。2番桜井の右中間を破る二塁打で二者生還し、同点に追いつくと、さらに二死三塁から5番野村の右前適時打で勝ち越しに成功する。

 さらに6回裏には、3番水落翼、4番佐藤耕平の連続適時打で6対3と点差を広げたが、7回表、県立相模原も二死一、二塁から3番中野の適時二塁打で二者生還し、6対5と1点差に迫る。

 ここから両チームの投手が力投。相模原の3番手・長野はテークバックを大きくとって振り下ろす力強い速球で強打の弥栄打線をしのぎ、弥栄のエース・河野も5失点したものの、投手としての筋は素晴らしく、滑らかな体重移動、キレイなテークバックから繰り出す速球は勢いがあり、来年には140キロ前後は期待できそうな右腕。スライダー、チェンジアップの精度も良く、今後が楽しみだ。河野は9回一死まで抑えた。

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3安打の坂手裕太(相模原)

 ここから相模原は9番石毛が中前安打で出塁し、打者はここまで本塁打含む3安打の坂手に回った。ここで弥栄は守備のタイムを取り、気持ちを落ち着かせる。注目の対決の結果は河野の勝利。初球、ストレートを投げ込み、内野フライ。これで二死。最後の打者も打ち取り、弥栄が1勝目を挙げた。

 さすが実力校同士の対決ということもあって、最後まで一歩を引かない戦い。2時間半を超える戦いはとてもブロック予選では味わえない緊張感があった。いずれにしても、弥栄相模原の両校は県大会に勝ち進めば注目すべきに値するチームだといえる。

 弥栄は1番森川はヘッドスピードが速く、広角に鋭い打球を打ち返せる巧打者で、盗塁を決めるなど、俊足が持ち味。プレー1つ1つに集中力の高さが光り、県内でも注目を浴びる左打者となりそう。また、3番水落もバットコントロールが良く、パンチ力ある巧打者。4番伊藤も今後の試合で注目したい打者の1人であった。

 相模原は1番で主将の坂手は3安打の活躍。河野の直球に振り遅れず、シャープな打球を飛ばす巧打者。スクエアスタンス気味に構え、反動が小さい動きから速いヘッドスピードでボールを捉え飛ばす強打者だ。遊撃手としての動きもソツがない。さらにレベルが高い相手に結果を残せば、さらに注目が集まる選手となるだろう。本塁打を打った中野もストレートに強い左の強打者。今後の試合でも注目したい選手だ。

(記事=河嶋 宗一

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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