試合レポート

人環大岡崎vs小牧工科

2022.09.11

手堅く攻めた人環大岡崎、4回に2ランスクイズも決めて、小牧工科に快勝

人環大岡崎vs小牧工科 | 高校野球ドットコム
完封した徳山 陸投手(人環大岡崎)

<秋季愛知県高校野球大会:人環大岡崎6-0小牧工科>◇10日◇1回戦◇豊橋市民

 9月の2週目とはいえ、まだまだ、暑さの厳しい日々が続いている。そんな9月の残暑の中で、この日から秋季愛知県大会が始まった。[stadium]豊橋市民球場[/stadium]では、西三河地区予選ベスト4に進出した人環大岡崎と、尾張地区予選でベスト4に残った小牧工科との対戦で幕が開いた。

 人環大岡崎は、岡崎学園から、この春に系列の大学名を関した校名に変更された。夏は、1回戦で同じ西三河地区の科技高豊田に1点差で競り負けて悔しい思いをしている。また、春はコロナの影響で出場辞退も経験している。それだけに、この秋は一つでも上へ行きたいという思いも強いであろう。

 小牧工科は、近年は比較的コンスタントに県大会に進出するなど、尾張地区の公立校としては安定した実績を挙げている。この秋も尾張地区2次トーナメントの準決勝まで進出した。

 人環大岡崎の9番をつけた先発・徳山 陸投手(2年)は、長身から投げ下ろすタイプだが、無難な立ち上がりで、小牧工科を3人で退ける。そしてその裏、人環大岡崎は先頭の夏目 颯也内野手(2年)が四球で出るとすぐさま盗塁して、その後にバントで1死三塁を作る。ここで佳山 剛樹外野手(2年)の左犠飛で難なく先制した。

 徳山が好投を続ける間に、人環大岡崎は追加点を挙げる。

 4回、4番からの人環大岡崎は佳山が中前打すると、盗塁と四球で無死一、二塁。5番徳山が中前打して二塁走者が生還。さらに、青山 祐人内野手(1年)のバントが内野安打となり無死満塁。ここで、小牧工科は内野の乱れが出て、悪送球で2人がかえり、なおも無死二、三塁。青木 晴翔捕手(2年)の内野ゴロは三本間での挟殺となったが、なおも1死二、三塁。ここで、9番の代打・大衡 楓也(2年)がスクイズを決めるが、二塁から青木もかえって2ランスクイズとなり、この回5点が入った。人環大岡崎は、バントなどのプレーがきちっとよく教え込まれているという印象だ。このあたりは、田中 信宏監督が出身の浜松商野球を浸透させていると言ってもいいであろうか。

 5回から、小牧工科の杉山 友啓監督は、先発の近藤 翔栄投手(2年)を遊撃手に回し、伊藤 彼方内野手(2年)が三塁手へ動き、マウンドには伊藤 翔太投手(2年)が上がって、人環大岡崎の打線を封じていたが、小牧工科としては、ついぞ流れを引き寄せることはできなかった。

 徳山は9回完封で、打者29人に対して被安打1、与四球1、奪三振は5だったが三者凡退が7度という内容で、二塁も踏ませずほぼ満点と言ってもいい出来であろう。

 田中監督も、「今日は、出来過ぎと言っていいくらいに、徳山がよく投げてくれた。練習試合を通じても、完封は初めてじゃないでしょうか。いつも、どこかで崩れてしまうので、今日も(リリーフ投手を)用意はしていたのですが、スイスイと投げていました」と、まずは好投した徳山を評価していた。また、攻撃面については、「左投手に代わられてから打てなかったのは反省点でしょう。今、選手たちの自主ミーティングでも、そんなことを話していると思います。バントに関しては、バント一つの成功するかしないかで、試合の流れがまったく変わってくるということが分かってきたみたいなので、自分たちでも、積極的に練習しています」と、選手たちの自主的な姿勢も高まってきたことに関しては喜んでいた。

(取材=手束 仁

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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