試合レポート

川越東vs白岡

2022.04.27

バドミントン部からの転部生が好救援。川越東が初戦突破!

川越東vs白岡 | 高校野球ドットコム

<春季高校野球埼玉県大会:川越東6-2白岡>◇25日◇2回戦◇所沢航空公園

 [stadium]所沢航空公園球場[/stadium]の第2試合はCシード・川越東白岡との一戦である。

 先発は川越東が右サイドの名取由晃(2年)、白岡下鳥栞太(3年)と両エースが登板し試合が始まる。

 川越東が初回からペースをつかむ。

 川越東白岡・下鳥の立ち上がりを攻め、先頭の種田太一(3年)が右中間への三塁打を放ち出塁すると、続く神保直希(3年)が左前へ適時打を放ちまず1点。さらに3番・小林舜(3年)がきっちりと送り、1死二塁とすると、2死後5番・大野弘高(3年)が右前適時打を放つなど幸先よく2点を先制する。

 だが、白岡もすぐに反撃を開始する。

 2回表、この回先頭の青木将(3年)が遊撃ゴロエラーで出塁すると、続く岩崎康希(2年)がきっちりと送り1死二塁とする。さらに、8番・中村樹(3年)が左前安打を放つと、これを左翼手がジャックルする間に二走・青木が本塁へ生還し白岡が1点を返す。

 川越東も4回裏1死から7番・野口大貴(3年)が中前安打を放ち出塁すると、続く石川了雅(2年)は遊撃ゴロを放ち併殺かと思われたが、遊撃手がファンブルし1死一、三塁とチャンスが広がる。9番・名取のバントは失敗に終わるが、続く種田が左前安打を放ち、2死満塁とする。ここで神保が中前へ2点適時打を放ち4対1とし、白岡を引き離しにかかる。

 白岡も5回表、この回先頭の中村が左翼へライナー性の打球を放つと、左翼手が打球判断を誤り後逸する間に中村は二塁へと進む。1死後、1番・後藤悠斗(3年)が中前安打を放ち1死一、三塁とすると、続く坂詰拓海(3年)が左前適時打を放ちすぐに1点を返し4対2と追いすがる。

 試合前半は川越東が点を取れば、白岡がすぐに点を返す展開。まだまだ予断は許されない状況の中、川越東は5回で名取を諦め、6回からは津村佳典(2年)がマウンドへ上がる。

 津村は代わり端の6回、アウトは全て三振で取る好投を披露する。

 川越東はその裏、この回先頭の石川が左越えの二塁打を放ち出塁すると、続く山中悠生(2年)がきっちりと送り1死三塁とする。ここで1番・種田がきっちりと犠飛を放ち貴重な中押し点を奪い3点差をつける。

 川越東は8回裏にもこの回先頭の諸橋遥人(3年)が四球を選び出塁すると、続く津村がきっちりと送り1死二塁とする。2死後、7番・山中が右前へポトリと落ちる適時打を放ちダメを押す。

 投げては名取、津村の継投で白岡打線を2点に抑えた川越東が6対2で白岡を下し、夏のシード権を獲得した。



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 白岡のエース下鳥は中1日で前の試合130球ほど投球しながら、この日も完投するなど良く投げた。打線も活発で守備も含め川越東に食らいついていた。今後の課題は8残塁であった打席での集中力か。

 「元々は一番弱いんじゃないかって代でスタートしてここまで来た。チャンスを作ってもあと一本出せない。あとは取れるところできっちりと得点を取る野球を」と金子監督は夏を見据えていた。

 川越東は順調な大会へのスタートを切り、夏のシード獲得が決定した。とにかくこの日は名取がゲームを作り、津村が後半に相手打線を封じた。何よりこの日の収穫は津村であろう。実は昨年の10月まではバドミントン部員。中学までは軟式で野球をしていたが、川越東の野球部でやれる自信が持てず一旦は野球から離れた。

 だが、「入りたいとは思っていたんですが、硬式野球部は強いイメージがあって怖くて入れなかった。勉強との両立も難しいかなと思っていたんですが勉強にも慣れてきて。川越工の友達から転部して入部した子がいるのを聞いて自分も入ってみようかなと」(津村)と、一念発起し11月に入部すると、Cチームの紅白戦で登板中に野中監督の目に止まり、年明けにはAチームに昇格する。

 その後も順調に結果を残し、練習試合の木更津総合(千葉)戦でも、3、4イニングを投げし、まずまずの投球を見せるなど(試合は川越東が7対5で勝利)、2年生で公式戦初登板ながら落ち着いた投球を披露した。

 まだ入部して半年も経っていない。同学年のエース名取に対しても、「自分はまだ入ったばかりで彼は上の存在。ただ次の試合は先発で投げたい」と津村は野心をのぞかせた。今後の活躍に期待したい。

(取材=南 英博

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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