試合レポート

静岡商vs星陵

2020.07.19

静岡商が初回に先制し、中押し~ダメ押しといい展開の勝利

静岡商vs星陵 | 高校野球ドットコム
静岡商・高田琢登君

 昨秋は県3位校として東海大会に進出を果たした静岡商。エースの高田琢登君に注目も集まっていた。しかし、初戦で津商に1イニングだけ崩れたところを集中攻撃されて敗退した。その悔しさを胸に、この冬を過ごしてきて、春季大会では成長したところを披露したいところだった。

 もっともチームとしては、高田君に続くもう一人の柱として塚本礼史君を育てていこうという思いもあった。高田晋松監督としては、「この春は塚本を主戦として使っていきながら成長させて、2本柱としていきたかった」という思いもあったという。それが、春季大会中止で、塚本君は公式戦の登板機会が実現しないまま夏を迎えることとなった。半ばぶっつけ本番みたいな感じでもあるが、とにかく試合で投げられること、その思いをぶつけて欲しいとマウンドに送り出した。

 塚本君は初回に味方が2点を先取してくれたということもあって、4イニングをしっかりと投げて1安打1失点のみ。そして、5回からは注目の左腕高田君に繋いだ。この継投で、静岡商は逃げ切ったという形になった。

 静岡商は初回に先頭の杉山君が中越三塁打。続く塚本理久君が一二塁間を破って先制。さらに二死二塁となってから5番山田君の一二塁間を破る安打でこの回2点。その裏に1点を返されるものの、静岡商としては展開は悪い形ではなかった。3回にも失策の走者を二塁へ進めて二死一二塁から、塚本君自らの安打で追加点を挙げた。こうして、静岡商が主導権を握っていって5回からは高田琢登君が登板。5回は3者三振でさすがと思わせた。7回になって、父親でもある高田監督がどうしたいのか聞いたところ「行かせてほしい」ということなのでマウンドへ向かった。

 ところが、ちょっと力んだところもあってか内野安打と失策に自信の暴投もあって1点を失った。それでも、最速144キロを表示し、ここというところではピシャリと抑え、3イニングで7三振はさすがといっていいであろう。こうして、高田親子鷹の進撃はまだまだ続いていきそうだ。

 今大会は静岡県は7回制ということで開催されている。

 たまたまこの試合ではコールドゲームに該当するスコアとなったけれども、7回制ということに関しては、高田監督は「やはり、意識しますよ。練習試合もそんな形で2回くらいやってみました」という。だから、そんな展開を予測して「打順も打てるヤツを上に置いていくという形で組んでいきました。今日も1番の杉山も本当は5番なんですけれども、振れているので今日は1番起用で、いきなりガツンとやってくれてよかった」と、この日は打順構成が当たったことも喜んでいた。

 こうした模索しながらの打順編成も含めて、静岡商のこの夏の戦いは続いていく。昨秋の実績以上は納めないと…という思いもあるであろう。

(文=手束 仁

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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