一条vs香芝
盛り上がる一条ベンチ
シード校の一条が、コールド発進!
春季大会覇者の一条が登場。12-1のコールドで香芝を降し、3回戦進出を決めた。
この試合、僕が注目したのは、一条の試合への入り方である。
普通、春季大会の優勝校には、プレッシャーが掛かる。チャンピオンとして迎えるこの大会は、他校からの注目を浴びるからだ。そうして、公立のシード校が徐番に敗れるということが、過去にも幾度かあった。
だから、今大会でいえば、一条がどういう試合の入り方をするか注目したのだ。さらに、相手は1回戦を、積極的な試合運びにで勝ち抜いてきた香芝である。
そこで、驚いたのは先攻を取ったのが、一条だったということだ。
個人的な意見では、こういうトーナメント戦の場合、挑戦する立場にある側、力の落ちる側こそ、先攻を取るべきだと、僕は考えている。1回から守備で受けるよりも、積極的に攻めに行くべきだ、と。しかし、この試合は一条が先攻だった。試合後に聞いた話では、一条が先攻を選んだという。理由は「最初に攻めて、自分たちの形に持っていきたかった」と兼本監督は試合後に教えてくれた。
1回の一条はまさに、先制攻撃だった。先頭の勅使河原が三塁打で出塁し、3番・尾原が左翼スタンドへ放り込む2点本塁打。チャンピオンという受け身の立場から見事に脱し、試合の主導権を握ったのだ。一条は、このあとにも攻勢をかけた。2回に1点、3回に3点、4回に1点、5回は5点。計12点を奪って、圧勝した。
また、この試合、一条は守備の面でも積極的姿勢を見せた。7点リードで迎えた4回裏のことである。連打とワイルドピッチで無死・二、三塁のピンチに立たされた。点差を考えれば、ここは1点を諦めてもいいはずだが、一条の守備陣は前進守備を敷いた。見方によればギャンブルである。結果的に、この回は1点を奪われたが、試合後の兼本監督のコメントには感心させられた。
「簡単に1点を与えるような受け身の姿勢を見せたくなかった」
これは先攻をとったことにも、つながっている筋の通った話であろう。一条は12-1で快勝し、良い入り方をしたと言っていい。
(文=氏原英明)
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一条 | 2 | 1 | 3 | 1 | 5 | 12 | ||||||||||
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香芝 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 |
一条 上仲 ― 中岡 香芝 岩井―濱野,新原
本塁打=尾原(一)三塁打=勅使河原(一)二塁打=中岡(一)