自重トレーニングで意識すること
自重トレーニングは正しい動作で行うことが大切
野球に必要な体力をつけるために欠かせないのが筋力トレーニングです。筋力トレーニングというとダンベルやバーベルなどの器具を用いて行うウエイトトレーニングが思い浮かぶと思いますが、そうした施設や器具が十分備わっていないところでも、自体重を使ったトレーニング(自重トレーニング)を行うことはできます。自重トレーニングを行うにあたって、その効果をアップさせるために意識したいことをまとめておきます。
1)正しいフォームで行う
ウエイトトレーニングにも共通するところですが、自重トレーニングは正しいフォームで行いましょう。扱う重量が自体重なので多少フォームが崩れていても、難なくこなせると思いますが、姿勢が崩れた状態で繰り返し動作を行うとケガのリスクが高まるだけではなく、崩れた姿勢が身につきやすくなります。例えば体幹を固定するフロントブリッジを行う際に、秒数ばかりを気にするのではなく、腰が落ちて反っていないか、腹部を中心に体が横から見て直線を保っているかを意識して行いましょう。
2)反動をつけずにゆっくり行う
自重トレーニングは自体重で行うため、ウエイトトレーニングに比べると重量が軽く、動作スピードが上がりがちです。このときに反動をつけてしまうと本来鍛えたい部位への負荷が低下してしまったり、代償動作を引き起こしたりすることがあります。また反動によって体の軸がぶれてしまうことも考えられます。自重トレーニングを行う時はゆっくりとした動作を心がけ、目的とする筋肉を意識しながら実践しましょう。
3)関節可動域を意識しながら行う
自重トレーニングを行う時は関節可動域(関節の動く範囲)も意識してみましょう。フロントランジなどを行う時は股関節に体重が乗る感覚を確かめながら、できるだけ深く屈曲することも大切です(ただし膝がつま先より前に出てしまうなど、フォームが崩れるようであればこの限りではありません)。足関節などが硬い場合はトレーニング前に足首を入念にまわしたり、ストレッチをしてから行うようにすると良いでしょう。自重トレーニングを続けることによって関節の可動範囲をひろげることも期待できます。
トレーニング施設や器具のない中でも取り組むことのできる自重トレーニング。これから3つのことを理解して取り組むようにするとより効果的なトレーニングに近づくと言えるでしょう。
文:西村 典子
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