石垣雅海(酒田南出身)が今季初出場、同期となる98年組の高卒野手は続々一軍で出番を勝ち取る
石垣雅海(中日)
中日の大砲候補・石垣雅海が7月8日に今シーズン初の一軍昇格を果たした。今シーズンの石垣は二軍で9試合に出場し、打率.346(26打数9安打)、1本塁打、4打点と結果を残しての抜擢である。
当日に行われたヤクルト戦で代打で起用されると、その初球から豪快なフルスイング。一軍に上がるとこじんまりとしたスイングをする選手が多いなか、「決して小さくならないぞ」といった意志を感じさせる空振りを見せてくれた。その打席では遊ゴロに終わり快音は響かなかったものの、おもしろい存在となりそうな空気を醸し出していた。
そんな石垣は2016年ドラフト3位で指名を受け、山形県の酒田南高校から中日に入団しする。1年目に一軍デビューを果たすと、入団2年目となる2018年のフレッシュオールスターゲームに出場。
その年のルーキーである村上宗隆(ヤクルト)、清宮幸太郎(日本ハム)、安田尚憲(ロッテ)らに注目が集まっていたが、石垣は本塁打を放ちMVPを受賞している。3年目の昨シーズンは一軍で15試合に出場し、初安打も記録した。
中日の若手では、根尾昂や石川昂弥といったドラフト1位入団組に注目が集まっているが、石垣も一歩ずつ着実に階段を登っているのである。
その石垣が指名を受けた2016年ドラフトにおける高卒で指名を受けた選手を見渡すと、ここまでは投手陣の活躍が目立つ。球界を代表する投手にまで登りつめつつある山本由伸(都城高/オリックス4位)を筆頭に今井達也(作新学院高/西武1位)、種市篤暉(八戸工大一高/ロッテ6位)、梅野雄吾(九産大九産高/ヤクルト3位)らがそうだ。
一方の野手では一軍で実績を残したと言える存在はまだ生まれていない。しかし、今シーズンに入り古賀優大(明徳義塾高/ヤクルト5位)、九鬼隆平(秀岳館高/ソフトバンク3位)、鈴木将平(静岡高/西武4位)らが一軍での出場機会を得るようになった。
古賀は開幕一軍入りを果たしたものの、すでに二軍降格となったが5試合でスタメンマスクをかぶった。また九鬼は7月4日に一軍へ昇格すると、翌5日の試合で記録した一軍初安打が初本塁打となり大きく取り上げられた。
石垣と同学年の投手たちが先にブレイクし、野手陣も徐々に一軍での出番を掴みつつあるわけだ。その流れに石垣も乗り遅れず、結果を残すことに期待したい。
【2016年ドラフト指名を受けた高卒野手】
※育成指名は除く
岡崎大輔(花咲徳栄高→オリックス3位)
石垣雅海(酒田南高→中日3位)
石原彪(京都翔英高→楽天8位)
古賀優大(明徳義塾高→ヤクルト5位)
鈴木将平(静岡高→西武4位)
松尾大河(秀岳館高→DeNA3位)
細川成也(明秀日立高→DeNA5位)
九鬼隆平(秀岳館高→ソフトバンク3位)
三森大貴(青森山田高→ソフトバンク4位)
郡拓也(帝京高→日本ハム7位)
今井順之助(中京高→日本ハム9位)
坂倉将吾(日大三高→広島4位)
(記事=勝田聡)
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