News

大学再入学からドラフト候補へ!伊藤大海、河村説人ら北海道の150キロ右腕

2020.07.04

大学再入学からドラフト候補へ!伊藤大海、河村説人ら北海道の150キロ右腕 | 高校野球ドットコム
苫小牧駒澤大の伊藤大海(左)と、星槎道都大の河村説人(右)

 今年のドラフト候補として注目を浴びる2人の剛球右腕が、北海道内の大学にいる。苫小牧駒澤大(北海道学生野球連盟)の伊藤大海と、星槎道都大(札幌学生野球連盟)の河村説人だ。

 ともに150キロのストレートを武器とする本格派だが、2人には共通点がある。それは、大学を一度中退し、現在の大学に再入学していることだ。今回は、過去に大学を中退しながらもプロ入りを果たした選手と併せて、二人のこれまでを振り返っていきたい。

高校3年春に全道大会で対戦した伊藤と河村

 駒大苫小牧では、1年秋から主力としてマウンドに上がった伊藤。札幌大谷との全道大会決勝では、リリーフで5回1/3を1失点に抑え優勝投手に輝いた。明治神宮大会では沖縄尚学との初戦に先発し、8回途中自責点1も敗戦。翌春選抜では、1回戦の創成館戦で完封勝利を挙げた。その後は肘の故障などもあって全国舞台からは遠ざかり、3年夏は南北海道大会ベスト8敗退。

 駒澤大進学後は、1年春から東都大学野球2部リーグで登板。秋には先発登板も果たしたが、野球部を退部し、大学も退学。
 2017年から苫小牧駒澤大に再入学すると、リーグ規定により1年間公式戦に出場できなかったものの、この期間にトレーニング方法を見直し球速アップに成功した伊藤。2年春にリーグ戦デビューすると、最高殊勲選手、最優秀投手、ベストナインなどを獲得する活躍でチームを全日本大学野球選手権に導いた。

 その後は故障などもあったが、2年、3年と連続で侍ジャパン大学代表に選出されるなど、最速155キロの剛腕として今秋ドラフト1位候補と呼ばれるまでに成長した。

 白樺学園時代の河村は、伊藤と同様に1年秋から全道大会のマウンドを経験。函館商との2回戦では、7回3失点で完投勝利を挙げた。エースとして臨んだ3年春の全道大会ではベスト4、夏には北北海道大会を勝ち上がり、甲子園出場。下関商との1回戦で敗れはしたが、先発して5回3失点で全国デビューを果たした。

 高校卒業後はの亜細亜大に進学したが、登板なしのまま中退。2017年から星槎道都大に再入学し、2年春にリーグ戦デビュー。身長192cmの長身から繰り出す最速150キロの速球を武器に、秋、そして翌春とリーグ戦優勝に貢献。3年の11月には侍ジャパン大学代表候補の強化合宿にも参加するなど、注目される存在となった。

 ちなみに、2人は高校3年春の全道大会準決勝で対戦を果たしている。先発し4回2失点と粘りの投球を見せた河村に対し、4番手で1回2/3を無失点に抑えて試合を締めた伊藤。伊藤登板時には河村は既に降板していたが、投げ合いが実現していたのだ。このときは伊藤に軍配が上がったが、もしもこの先投げ合いが実現したら、今度はどちらが投げ勝つだろうか。

 過去には落合博満後藤光尊らが強豪大学を中退し、社会人野球経由でプロ入り、活躍を見せた。近年では埼玉西武の岸潤一郎が拓殖大学を中退、独立経由でのプロ入りを果たした。大学再入学からのプロ入りとなると異例ではあるが、また一つの新しい道となることだろう。

 ともに北海道の地で育ち、甲子園を経験し、東都大学のチームに入部。その後中退を経て、地元北海道の大学へ再入学。そして最速150キロオーバーの右腕として、ドラフト候補へと成長した伊藤と河村。2人が来年以降、どのような進路を取るのか注目したい。

(記事=林 龍也

関連記事
来秋のドラフト候補!最速155キロ右腕・伊藤大海の最大の武器は「火の玉ストレート」?
最速150キロの伸びしろ満載の北の大型右腕・河村説人!回り道で得た経験を成長に変えてプロ入りへ!
伊藤大海が2020ドラ1候補に!2014年選抜出場を果たした駒大苫小牧ナインのその後を紹介

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.16

【宮城】仙台一、東北、柴田、東陵がコールド発進<春季県大会>

2024.05.16

涙の甲子園デビューから大きくレベルアップ!前橋商の192センチの剛腕・清水大暉は、高速スプリットで群馬県大会19回1失点、22奪三振の快投!<高校野球ドットコム注目選手ファイル・ コム注>

2024.05.16

【2024年春季地区大会最新状況】全道大会は出場校決定、関東と東海は18日に開幕

2024.05.16

U-18代表候補・西尾海純(長崎日大)、甲子園で活躍する幼馴染にむき出しのライバル心「髙尾響には負けたくない」

2024.05.16

【秋田】夏のシードをかけた3回戦がスタート、16日は大館鳳鳴などが挑む<春季大会>

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.13

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在29地区が決定、愛媛の第1シードは松山商

2024.05.14

大阪体育大の新入生に兵庫大会8強の145キロ右腕、金光大阪の1番センター、近大附の4番打者など関西地区の主力が入部!

2024.05.16

【宮城】仙台一、東北、柴田、東陵がコールド発進<春季県大会>

2024.05.13

大阪桐蔭、山梨学院、慶應義塾…強豪校・名門校の昨年度卒業生はどの進路を歩んだのか?【卒業生進路一覧】

2024.04.21

【愛知】愛工大名電が東邦に敗れ、夏ノーシードに!シード校が決定<春季大会>

2024.04.29

【福島】東日本国際大昌平、磐城、会津北嶺、会津学鳳が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.04.22

【春季愛知県大会】中部大春日丘がビッグイニングで流れを引き寄せ、豊橋中央を退ける

2024.04.22

【鳥取】昨年秋と同じく、米子松蔭と鳥取城北が決勝へ<春季県大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?