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原口文仁、中村晃が一軍復帰、現役球児たちも「帝京魂」で8年ぶりの甲子園なるか?

2019.06.13

 虎党の聖地である甲子園球場に代打の神様が帰ってきた。原口文仁(阪神)である。昨シーズンは代打打率.404(57打数23安打)と驚異的な数字を残し、最下位に沈んだチームのなかでも存在感を発揮していた。

 しかし、オフシーズン中に大腸がんが発覚。手術そしてリハビリを経て、一軍に戻ってきたのは交流戦が開幕した6月4日のことだった。

 その昇格初日に行われたロッテ戦では、代打で適時二塁打を放つと、その5日後となる6月9日の日本ハム戦ではサヨナラ打でチームを勝利に導いた。さらに6月12日の福岡ソフトバンク戦では初のスタメンで、適時打を含むマルチヒット。復帰早々に戦力として機能しているのである。

 そんな原口は東京都の名門校である帝京高校出身ということでも知られている。同校出身の石橋貴明(とんねるず)も復帰した原口にエールを送っていたことで話題となった。

中村晃も自律神経失調症から復帰

原口文仁、中村晃が一軍復帰、現役球児たちも「帝京魂」で8年ぶりの甲子園なるか? | 高校野球ドットコム
復帰を果たした中村晃(ソフトバンク)と原口文仁(阪神)

 原口の復帰で湧く帝京高校だが、その他にも同校OBで苦労を乗り越えて一軍復帰を果たした選手がいる。ソフトバンクの中村晃だ。

 外野のレギュラーとして計算されていた中村だが、オフシーズンに自律神経失調症を公表。開幕一軍からははずれ、リハビリに励んでいた。二軍でも当初は遠征に参加していなかったが、5月下旬から遠征にも同行するなど、回復の兆しをみせていた。

 そして5月31日に一軍登録されると、さっそくスタメンで出場。その初打席で適時二塁打を放っている。まだまだ中村本来の調子とは程遠いものの、おおきな一歩を踏み出したことは間違いない。

 帝京高校は2011年の全国高校野球選手権大会(以下、夏の甲子園)に出場してから、甲子園への出場はなく近年は低迷している。しかし、OBたちが病気に負けず戦っている姿を見ることで、現役の球児たちも思うものがあるはずだ。

 あと1ヶ月もすればはじまる夏の甲子園東東京大会で、名門復活となるだろうか。全国制覇3度を誇る名門が、このまま甲子園から遠ざかっていくのは少し寂しい。プロの世界で戦っている原口や中村と同様に「帝京魂」を見せてくれることに期待したい。

文=勝田聡

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「捕手に転向してアイツの良さがすべて出た」 原口文仁(阪神)の捕手転向秘話

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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