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侍ジャパン初招集の戸根千明をストイックな選手に変えた先輩、父親の直言

2016.02.22

侍ジャパン初招集の戸根千明をストイックな選手に変えた先輩、父親の直言

侍ジャパン初招集の戸根千明をストイックな選手に変えた先輩、父親の直言 | 高校野球ドットコム

大学時代の戸根選手

 来月の5日、6日に開催される侍ジャパンの強化試合に、巨人の戸根 千明投手【2014年インタビュー前編後編】(石見智翠館高卒―日本大学卒)が追加招集されることが発表されました。戸根選手は初の代表入りに期待が高まります。

 プロ2年目で挑んだ昨季は、46試合に登板し、防御率2.88、39奪三振をマークしたストレートを中心に組み立てる左腕投手。今となっては、大きな体がトレードマークの戸根選手。

 昨年は同僚のマシソン投手と一緒にアメリカで自主トレするなどストイックな一面が見える投手ですが、大学入学当初は、細身の投手だったようです。2年生になる頃にフォームを崩したことがきっかけで、様々なフォームを試行錯誤していくうちに、どんどん崩れていってしまったそうです。そして、練習にも力が入らず、野球は大学で終わりにしようとした矢先、同室の先輩の直言がありました。

 先輩から
「おまえ、なんで、そんなにやる気ないの?」と突然、言われ、さらに続けて
「そんなんだったらやめればいいじゃん。おまえみたいに高いポテンシャルがあるのに頑張らないやつ、本当に腹が立つんだよね。そんなやついらねぇよ。やめればいいじゃん。」
その先輩は見てもいられなかったのでしょう。先輩の直言だけではなく、父親からは
「いつやめてもいいけど、大学での4年間はやり通せ。もう折り返しのところだし、あと2年頑張ってこい。おまえは実力はあるんだから、やらずに後悔するより、やって後悔する方が絶対にいい。」
と励ましもあり、練習に再び力を入れ始め、冬の間に体重を8キロ増量させ、肉体改造を行いだました。

 彼の体格は恵まれたものではなく、自らで作り上げたものでした。

 1日8食の食トレ、自分に足りない下半身と体幹のトレーニングを自らで目標を立て、自分と向き合ったこと、そして、戸根選手の負けん気の強さという長所が今の戸根選手の大きな体を支えているようです。

 そんな大学時代に培ったストイックさ、研究熱心な姿勢、負けん気の強さがプロ1年目から活躍につながったのでしょう。戸根選手のポジションは左の中継ぎ。球界全体通してもその希少性は高く、実力プラス、まだ24歳という若さも、今回侍ジャパンに選出された要因ともいえるでしょう。もし2人の直言がなければ、戸根選手はどんな人生を歩んでいたでしょうか。周りの人に恵まれることも活躍するためには重要なファクターともいえそうです。

 技術ももちろん野球をするうえで大切ですが、いったん自分を外から見て、自分の足りないものを補強すること、自分の長所を磨くことが、自ずと技術がついてくることが大きな体の戸根選手から学ぶことは非常に多いです。

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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