News

【第31回高校野球研究会】西村典子氏が高校球児に必要なフィジカルトレーニングについて講演

2015.12.15

【第31回高校野球研究会】西村典子氏が高校球児に必要なフィジカルトレーニングについて講演 | 高校野球ドットコム
講演する西村典子氏
【第31回高校野球研究会】西村典子氏が高校球児に必要なフィジカルトレーニングについて講演 | 高校野球ドットコム

▲会場の様子

 12月13日、都立青山高校にて第31回高校野球研究会が開催され、東海大学硬式野球部アスレティックトレーナーの西村典子氏が招かれた。西村氏は、高校野球ドットコムで【セルフコンディショニングのススメ】の記事を月に2回配信している。今回は、“高校球児に必要なフィジカルトレーニング”というテーマで講演をした。

 初めに西村氏は、“なぜ体力を鍛える必要があるのか”、今回の講演のテーマの必要性を語った。高校野球というものは入学から引退までの約2年半という限られた僅かな期間である。そんな限られた時間の中でケガをするとプレーができない時間が増えてしまう。そういった事態を避けるために、そして、限られた時間の中で野球を上達するために、体力の必要性と球児がケガをしやすい一因について解説した。

 西村氏は、高校生は体が成長段階にあるために、骨と筋肉・靭帯の成長バランスから起こることが多いと言う。また、ケガが起こりやすいのは3~5月であり、オフシーズンが終わる時期に当たる。

 次に、筋力を鍛える理由として、体力を鍛える理由と同じく、競技力向上のため、そして、ケガを予防するため、と語った。「特に野球は非対称性の動きをするため、トレーニングが必要」と語ったとき、参加した指導者が一同頷いている様子だった。

 トレーニングといえば、“キツイもの”と想像しがちだ。しかし、度を超えたトレーニングをしすぎた結果、ケガを誘発してしまうこともある。また、新入生が3年生のメニューについていくのは困難だ。なので、個々にあったものを、自分の限界を超える負荷がかかるものをすることに意味があると、講演の中で何度も主張した。

 講演の中盤では、“行動を起こす能力”“行動を調整する能力”“行動を持続する能力”の3つの鍛えるべき体力を鍛える必要性と具体的なトレーニング内容を1つずつそれぞれ語った。「トレーニング、エクササイズをすることで、初めは痛いと言っている選手もいるが、続けることで痛くなくなる」と、実際に、西村氏の経験談も盛り込むことで、続けることの大切さを会場にアピールした。

 最後の質疑応答では、活発なものが展開された。肩周りのストレッチについての質問が飛び交い、実際にその場で実演することで、会場の理解をより一層深めた。

 冬である現在、オフシーズンの野球。ボールに触れ合う機会が少なくなるが、これから始まる選抜に向け、個々の体を鍛える必要性を改めて気づかされるタイムリーな講演になったのではないだろうか。

 またこの研究会では、講演会後に指導者同士の懇親会がセットで行われ、そこで、指導者同士が一年の苦労をねぎらう場所でもある。今年は高校野球研究会会員の1人である都立篠崎牛久保和哉監督(32)が、昨秋、本大会ベスト8、そしてこの夏は東東京4強に導く手腕を発揮した。その牛久保監督に多くのベテラン指導者たちが牛久保監督を祝福。

 ベテラン指導者の労いに牛久保監督はとにかく恐縮している様子だったが、この会は20代~30代の指導者も快く受け入れる懐の良さが魅力。若い指導者の1人である牛久保監督がこのような形で実績を残したのは、高校野球研究会にとってはとても誇れることであることは間違いない。こうして常に指導者同士で研究を重ね、そしてお酒を交わし、健闘を誓う合うことで、都立校は実力を底上げさせるのと同時に東京都のレベルを引き上げてきたのだ。高校野球研究会は東京都の高校野球の発展するには欠かせないモノとなっている。

【高校野球ドットコム編集部】
【第31回高校野球研究会】西村典子氏が高校球児に必要なフィジカルトレーニングについて講演 | 高校野球ドットコム ドットコムTwitter
【第31回高校野球研究会】西村典子氏が高校球児に必要なフィジカルトレーニングについて講演 | 高校野球ドットコム ドットコムfacebook

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.14

大阪体育大の新入生に兵庫大会8強の145キロ右腕、金光大阪の1番センター、近大附の4番打者など関西地区の主力が入部!

2024.05.14

【春季東京都大会総括】日大三、二松学舎大附など強豪校がノーシードの波乱! 新基準バットでも9本塁打の帝京が驚異の打力で王者に

2024.05.14

【2024夏全国ノーシード校一覧】二松学舎大附、履正社、智辯学園、沖縄尚学などビッグネームがノーシードで夏に挑む

2024.05.14

広島「今季新戦力の現状通信簿」、新外国人の復活はなるか!?

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.13

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在29地区が決定、愛媛の第1シードは松山商

2024.05.14

大阪体育大の新入生に兵庫大会8強の145キロ右腕、金光大阪の1番センター、近大附の4番打者など関西地区の主力が入部!

2024.05.09

プロスカウトは190センチ超の大型投手、遊撃手、150キロ超右腕に熱視線!この春、浮上した逸材は?【ドラフト候補リスト・春季大会最新版】

2024.05.09

【熊本】九州学院は城北と文徳の勝者と対戦<NHK旗組み合わせ>

2024.04.21

【愛知】愛工大名電が東邦に敗れ、夏ノーシードに!シード校が決定<春季大会>

2024.04.22

【春季愛知県大会】中部大春日丘がビッグイニングで流れを引き寄せ、豊橋中央を退ける

2024.04.29

【福島】東日本国際大昌平、磐城、会津北嶺、会津学鳳が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.04.22

【鳥取】昨年秋と同じく、米子松蔭と鳥取城北が決勝へ<春季県大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?