豊中vs東淀川
8点差ノーゲームからの再戦
先発・吉村優希(豊中)
2回を終わって8対0。
1週間前、豊中が大量リードしていた試合は雨天ノーゲームに。再戦となった試合は、2回を終えて互いに無得点。前回、豊中は打線好調だったが、初回一死二塁の先制機にクリーンアップのバットから一本が出ず、2回はいい当たりも野手の正面を突いて三者凡退。流れとしては歓迎されるようなものではなかった。ただ、この展開は豊中にとって想定内。福田修一監督は再試合について「うちの方が不利。向こうは開き直ってくるんで、ロースコアになる。粘り強く自分達の野球をやろう」と選手達に話していた。
試合が動いたのは3回、豊中は相手の失策絡みで無死二、三塁とすると旧チームから残る1番の井本陽大(2年)がショートへ適時内野安打を放ち1点を先制。さらに一死満塁から4番・紀智哉(2年)の内野ゴロの間に1点を加えた。4回にも二死二、三塁から井本がレフト前に2点適時打を放ち加点。続く中村祐介(2年)の内野安打で二塁に進んだ井本はワイルドピッチで相手捕手がボールを見失うと一気に生還。隙を突く走塁でリードを5点に広げた。選手間ミーティングで投手は4失点以内、打者は5得点以上と目標を決めて臨んだ試合で、野手陣は早くもノルマを達成。先発の吉村優希(2年)も5回途中まで無安打投球。前半は豊中ペースで進んだが、6回に東淀川が反撃を見せる。
この回先頭の橋建颯汰(2年)がセンター前に安打を放つと、3番・三好駿己郎(1年)、4番・大野祐矢(2年)が連続四球。無死満塁とし、力投を続ける大井崇寛(2年)がレフトへ大きな犠牲フライを打ち上げ1点を返す。さらに立花昂士(2年)が送って二死二、三塁。1本出れば2点差で終盤戦、ワンチャンスで逆転可能になり相手にプレッシャーをかけられるが、豊中守備陣が冷静だった。素早い牽制で二塁走者をタッチアウト。大きな山場を最少失点で切り抜けた。
4点リードの豊中は7回から左腕の河村隆之介(1年)がマウンドへ。体は大きくないが、どんな相手にも動じず淡々と低めを丁寧に突くピッチングが持ち味で2回を無失点。3イニング目となった9回もテンポ良く二死を奪うと、ここで福永優樹(1年)がマウンドに上がった。福永は球の威力はチーム1。福田監督は9回の頭から行かせるつもりだったが、緊張しがちな性格であったこととマスクをかぶるキャプテン・辻竹朗(2年)の進言により勝利まであと1人という場面での登板となった。
四球で走者を出したものの最後は空振り三振に仕留め、ゲームセット。豊中にとって公式戦の勝利は去年の春以来で、河村と福永はこれが公式戦初登板。単なる1勝ではなく大きな意味を持つ勝利となった。辻は「この勝ちで学んだことを活かして一戦必勝でやっていきたいです」
敗れた東淀川の犬山亮監督は大量ビハインドからの再戦に「失うものはない。思い切っていこう」とチャレンジ精神で臨んだがリベンジならず。「能力はそこそこあるので、この冬でどう変わるか。自分達で気付いて変われば、春、夏と戦える戦力、ポテンシャルは持っている」と選手の奮起に期待していた。
(文=小中 翔太)
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