日大三vs東海大菅生
この試合のプレー写真は、記事の最終ページの下部に表示されています
日大三・村上の中前安打でサヨナラ勝ち!東海大菅生3季連続の甲子園出場ならず
日大三・矢後和也
昨秋の決勝カードは、予想通りの熱戦になった。
日大三はエースの矢後和也、東海大菅生は背番号20の日當直喜が先発した。1回裏、日大三の1番・大川智矢が本塁打を放ち、打ち合いの幕が上がった。
東海大菅生は3回表、7番・金谷竜汰の中前安打に敵失が絡んで2点を入れ、逆転する。それでも日大三は5回裏、2番・藤巻一洸の二塁打や4番・浅倉大聖の三塁打などで3点を入れて再度逆転する。東海大菅生は6回表、4番・小池祐吏の二塁打などで1点を返す。
東海大菅生は6回裏からエースの鈴木泰成を投入する。しかしこれが誤算だった。この回の先頭打者である日大三の6番・金澤海斗に二塁打を打たれると、7番で途中出場の村上太一に左前安打で一、三塁。8番・寒川忠のスクイズが内野安打になり1点入り、なお一、二塁。ここから2つの四球があり、押し出しの1点を追加。鈴木は1イニングを投げることなく、降板した。「投げ始めたのが最近なので、不安はありました」と若林弘泰監督は言う。また捕手の福原聖矢は、「真っ直ぐを狙い打たれました」と語る。日大三は7回裏にも金澤の二塁打と村上の中前安打で1点を追加する。
これで7-3の4点差。けれどもそれで終わらないのが東海大菅生の底力だ。8回表には5番・酒井成真の3ランで一気に1点差に迫る。
そして9回表東海大菅生は、安打2本と四球で一死満塁のチャンス。ここで3番・鈴木悠平の右犠飛で同点に追いつく。それでも、球数が120球を越えている日大三の矢後が踏ん張り、この日3安打と当たっている4番・小池を中飛に打ち取り、同点止まりで切り抜ける。
この試合のプレー写真は、記事の最終ページの下部に表示されています
この試合のプレー写真は、記事の最終ページの下部に表示されています
東海大菅生・日當直喜
その裏日大三は、四球の5番・川崎広翔が犠打とワイルドピッチで三塁に進む。ここで打席には途中出場ながら、2安打と当たっている村上が入る。「ただひたすら、がむしゃらに振りました」と言う村上の当たりは中前安打になり、日大三がサヨナラで準決勝進出を決めた。村上にとっては、人生初のサヨナラ安打だった。
これで東海大菅生の3季連続の甲子園出場はならなかった。「不用意な点を取られ過ぎました。正直、秋はチームが出来上がっていません」と、若林監督は言う。東海大菅生はこの夏の甲子園で、雨により9回を戦えず敗れた悔しさがある。主将の福原は、「センバツで夏の借りを返したい思いはありました」と言う。それでも、まだ来年の夏があるだけに、「パワーとか、体から変えていかないといけません」と福原主将は語った。
日大三は東海大菅生の先発・日當から5回で10個の三振を喫したのをはじめ、三振が15もあった。それでも、粘り強い攻めで東海大菅生を突き放した。日大三の小倉全由監督は、「選手には、相手は甲子園を経験した選手も多い。悔いなくやろうと言いました」と語る。「ちょっと淡白なところがありました」と小倉監督が言う村上がサヨナラ安打を打つ活躍をするなど、選手一人一人の調子が上がってきた。準決勝は、夏敗れている國學院久我山と対戦する。再度、リベンジの機会が巡ってくる。
日大三2番・藤巻一洸
日大三3番・富塚隼介
本塁打の日大三・大川智矢