喜界vs伊集院

　伊集院は4回、3番・石塚 健斗（1年）のセンター前タイムリーで先制する。

　その裏、喜界は先頭の5番・米田 健人（2年）が左越え二塁打で出塁。二死満塁として死球で同点に追いついた。

　5回、伊集院は先頭の8番・有村 桜音（2年）がライトオーバー二塁打で出塁し、9番・廣尾 深豊（2年）がライト前タイムリーを放って勝ち越す。

　7回裏、喜界は一死から4四球を選び、押し出しで同点。7番・伊地 知章（2年）のレフト前タイムリーで初めて勝ち越しに成功した。9回、犠飛で同点とされたが、その裏、3つの四球を選んで満塁とすると、またも伊地知がレフト前タイムリーを放ち、サヨナラ勝ちした。

　喜界はシーソーゲームの緊迫した展開をものにしてサヨナラ勝ち。中馬輝監督は「バッテリーを中心によく粘ってくれた。全員野球で勝てた嬉しい勝利」と喜んだ。

　雨が降りしきる中、竹下 耕大主将（2年）―戸内恒太郎（2年）のバッテリーは9四死球を出したが、要所では厳しく内角を突くなど、粘り強く丁寧な投球を最後まで貫いた。ぬかるんだグラウンドコンディションだったが、守備も集中が途切れず、無失策でバッテリーを盛り立てた。

　戸内が3番、竹下主将が4番と打線の中軸も担う2人だが、この日は無安打。それでも「2人が打てなかった分、他の選手が打ってくれた」（中馬監督）。

　その代表が7回の勝ち越し打、9回のサヨナラ打を放った7番・伊地知だ。9回一死満塁の場面では、初球で捕飛を打ち上げたが落球。

「うまく切り替えて、持ち味の思い切りの良さを出してくれた」（中馬監督）と2ボール2ストライクと追い込まれてから、左前に弾き返して勝利を手繰り寄せた。

　県大会の勝利は2013年秋の指宿戦以来4年ぶり。人数不足で大島北と合同チームで出場するなど、勝ち負け以前の問題で頭を悩ますことも多かったが、あきらめず大会に出続けた粘りが実を結んだ。中馬監督は「島の人たちや先輩たちが喜んでくれたのが何よりうれしい」と勝利の喜びをかみしめていた。

（文＝政 純一郎）

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