沖縄尚学vs興南
流れをかえた右腕・河野
好救援を見せた河野哲平(沖縄尚学)
誰もが認めるこの試合のヒーローだった。3点を奪われ窮地にたったチーム。マウンドへ向かったのは背番号10の右腕河野哲平だった。
試合の主導権を握ったのは興南だった。序盤から安打を記録し続けると4回、一死から沖縄尚学内野陣のエラーが続き満塁とする。その初球、砂川亮がスクイズを決めて先制。さらにトップにかえって仲村匠平がレフトへ二塁打を放ち二者が生還。一挙3点を刻み込んだ。
興南は5回にも無死一、二塁と攻め立てると、沖縄尚学比嘉監督が動き河野をマウンドへ。1ボールの後だった。二塁けん制で走者を刺す。これで気を良くし二者をショートフライ、センターフライに斬った。これで流れが徐々に沖縄尚学へと傾く。
その裏、一死一塁で打席に立った河野が思い切り引っ張った打球がレフトを襲う二塁打となる。その後、ワイルドピッチで1点を加える。そして主砲砂川リチャードが、レフトフェンスまで届く大きな犠牲フライで1点差に迫ったのだ。
7回、沖縄尚学ら一死一、二塁から強攻に出る。河野の2打席連続となるヒットで同点に追いつくと、「あのタイムリーは見事。」と、指揮官が褒めたレフト前へ逆転タイムリーを砂川が放った。さらに押し出しの死球がついて2点をリードした沖縄尚学。投げては、二番手で登板した河野が打者14人に対しヒット僅か1本のみに抑える快投。流れを変えた男の活躍で私学対決を制した。
一年生中央大会で優勝し、この世代誰もが認めるスター揃いのギャラクシー軍団沖縄尚学。決勝戦も制することで、夏まで一気に突っ走りたい。
(文・写真=當山 雅通)
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