南vs浅野

市立南は猛攻で浅野を下す

　2015年秋季大会神奈川予選が開幕した。天候はあいにくの雨となり、小雨の中、予定時刻よりも少し早く始まったこの試合。昨年の春季大会でベスト8（試合レポート）となる快進撃を見せた南と、神奈川屈指の進学校浅野が、夏を越えた新チームの第一歩を踏み出した。

　試合は、初回から大きく動く。
1回表の南の攻撃。浅野先発投手の大乱調により、いきなり二者連続の四球となり、その後は三番がきっちりと仕事をして適時二塁打を放ち2点を先制。浅野ベンチは早い段階から投手を交代するも、南の猛攻は止まらず。四球と安打を繰り返し、1回終わって南が9点をのリードを得た。

　その裏の浅野の攻撃。
ショッキングな初回の守りを終えて、反撃したい浅野は、先頭打者の二塁打から攻撃を開始する。新チームでの初の公式戦ということで、南の守備の乱れから浅野も1点を返す。この時点で9対1で南がリード。

　さらに追加点が欲しい南であるが、その後は決定的な一打を決めることができず、5回まで得点をできず。

　一方の浅野は、3回に1点を返して、4回終わって9対2。コツコツと得点を重ねてなんとか食らいつきたいところであった。

　迎えた5回表の南の攻撃。
二塁打、意表をつくセフティバントで一死二、三塁のチャンスを作ると1番、2番、3番の三連打、5番の適時打で見事4点を追加。13対2と点差を11点として、5回コールドを決めるかに見えた。

　しかし、5回裏に浅野が食らいつく。
先頭打者が、左安打で出塁し、死球を挟む連打で見事2点を挙げることに成功。13対4と、点差は9点となり、ギリギリで5回コールドを回避し、その後に望みをつなげた。

　しかし、6回、7回の浅野の攻撃は凡退に終わり、南も得点圏までランナーを進めるも得点できず。結局13対4、7回コールドで南が勝利した。

　神奈川の秋季大会予選はリーグ戦となっているため、今回の試合だけではなく、残された試合の結果次第では、まだ先は見えて来る。今回の戦いは、浅野が11四死球、南が3四死球を相手チームに献上しており、制球力で差がついた。また、南もエラーで失点するなど、新チームらしい失点が仕方が目立つ試合となり、これからの課題が多く見つかった。しかし、前述したように、神奈川の予選はリーグ戦となっているため、まだ試合は残っている。公式戦の緊張感の中で経験を積み、一つ一つ課題をクリアにしていくことで大きな成長が見込まれる時期となっている。

　残りの試合でどれだけ成長をすることができるか、またその先の春、そして来年夏に、どれだけつなげることができるか。新しい世代の野球はまだ始まったばかりである。

（文＝高校野球ドットコム編集部）