試合レポート

池田vs鳴門渦潮

2014.04.13

池田「岡田マジック」でやまびこ響かせ、春夏連続甲子園へ好発進!

池田vs鳴門渦潮 | 高校野球ドットコム 

鳴門渦潮先発・松田 知希(3年)

 27年ぶり出場のセンバツで1勝。懐かしい歌と爽やかな風を残し、3月28日に甲子園を去った徳島池田。しかし、2試合を通じ「力がない。レベルを上げないと全国では通用しない」ことを痛感した岡田康志監督は、チーム内に聖地の余韻を一切与えなかった。

 翌日、選手たちの前に示されたのは「岡田マジック」とも言える大胆なコンバート策・打順変更・スタメン入れ替えである。4番三塁手の岡本 昌也(3年)は「これまで一度もやったことがなかった」捕手となり、打順も昨年11月以来となる1番に。捕手・主将の三宅 駿(3年)は一塁手に回り、センバツでは9番・遊撃手の上徳 佳樹(2年)は6番・三塁手へ。上徳に代わる9番・遊撃手には「守りは起用にできる」と指揮官が評する神原 大輝(2年)が抜擢された。

 こうして練習試合1試合を経て迎えた四国大会順位決定戦。春季県大会では防御率0.26と抜群の安定感を誇った鳴門渦潮の最速140キロ左腕・松田 知希(3年)の立ち上がりを徳島池田は捕えていく。


池田vs鳴門渦潮 | 高校野球ドットコム 

5打数5安打2打点を挙げた三宅 駿一塁手

 初回は一死三塁から3番・野中 将馬一塁手(3年)の遊撃内野安打により先制点を許した直後、岡本が左越二塁打で口火を切った。南哲次郎コーチが「岡本が大きかった。あれで松田くんが怖気づいた」と語ったように、続く2回裏に一死一・三塁から神原が中前に落とす二塁打で同点に追いつくと、なおも二死満塁から三宅が内角をうまくさばき右前に落とす逆転2点打。さらに3対2で迎えた5回裏には「マシンで打った通り後ろで小さく前で振りぬけた」神原の右中間満塁走者一掃二塁打含む5得点。

 センバツ直前に18Uアジア野球選手権日本代表監督も兼務することが決まった鳴門渦潮・髙橋広監督は「今日は全て投手の責任。まだ本物ではないということです」と、4回3分の2で8失点(自責点1)降板となった松田の不調を嘆いたが、裏を返せば「当てに行かず軸でしっかり振れ」と檄を飛ばした岡田監督の期待に応えた徳島池田打線がそれだけ見事だったということだ。

 結局試合は三宅の5打数5安打、岡本の4打数3安打含む13安打11得点を奪った徳島池田が快勝。加えて「慎重すぎるところもあったが、4番の多田 大輔を抑えたことは評価できるし、先発の渡邉 剛志にもいいきっかけになった」(谷川信吾コーチ)岡本の全体を元気付けるリードにもメドが立った。

 「打力と守りを高める」夏までのテーマは道半ばではあるものの、「やまびこ」を夏のライバルとなる鳴門渦潮相手に響かせた徳島池田は「春夏連続甲子園出場」へまずは順調に一歩を踏み出した。

(文=寺下友徳

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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