浦和学院vs花咲徳栄

リベンジ

　今年春の選抜大会8強の浦和学院対、昨夏の王者・花咲徳栄が早くもベスト8で激突した。昨夏ベスト4以来の対戦となるこの一戦、その時は花咲徳栄が勝利している。

　浦和学院は佐藤拓也(3年)、花咲徳栄はエースナンバーの高橋航雅(3年)が先発する。序盤は高橋航は悪くない立ち上がりだったが、一方の佐藤が乱調気味だった。生命線であるインコースのストレートが全く決まらない。
花咲徳栄は1回、先頭の関口明大(2年)を守りのミスで出塁を許すと、佐藤は続く山本竜生(2年)に3ボールとする。それでも、ここは何とかライトフライに打ち取り初回を乗り切る。
　2回表には、4番加藤諒也(3年)、5番若月健矢(2年)が連続死球で出塁し、無死一、二塁とチャンスを得る。だが、続く藤原涼太郎(3年)が送りバントの構えで見送った際に二塁走者・加藤が飛び出し、キャッチャー林崎龍也(3年)に刺されアウトとなった。

　さらに佐藤は、松本隼平(2年)にも死球を出し満塁とされ、8番高橋航を迎える。インコースを狙った投球が右手に当てたかと思われたが判定はファール。高橋航はピッチャーゴロに倒れ、先制機を逃す。高橋航は右手にボールが当たった影響もあったのか、花咲徳栄は早くも2回から上田倖平(3年)に代えた。

　その裏、浦和学院がその上田の立ち上がりを攻め立てる。2回裏、この回先頭の笹川晃平(3年)がセンター前ヒットで出塁しチャンスメイクするとその後、一死一、二塁から8番・西岡伸朗(3年)がセンター前タイムリーを放ち浦和学院が先制する。

　佐藤は3回以降は立ち直る。緩いカーブを有効に使い花咲徳栄打線は3番の楠本泰史(2年)以外タイミングが合わずゴロの山を築いていった。

　一方の上田は毎回のようにランナーを背負う。4回裏には、一死から7番明石飛真(3年)に死球を与えると8番西岡の打席でエンドランを決められ一、三塁とピンチを迎える。だが、9番緑川皇太朗(3年)をファーストゴロに抑えると、ファースト加藤が一塁ベースを踏みに反転した瞬間、三塁走者・加藤が本塁を狙うが、アウトになり結局併殺で無得点に終わる。

　4回まで何とか凌いできた上田だったが追加点は浦和学院に入る。5回裏、一死から2番林崎がライト前ヒットで出塁すると3番佐藤もライト前ヒットで続き、一、三塁とし4番山根佑太(2年)を迎える。山根は1ボール2ストライクと追い込まれるが、ここで上田の一塁への牽制が悪送球となり浦和学院が1点を追加する。だが、後続は上田に抑えられる。上田はその後スライダーを武器に浦和学院打線を無得点に抑えるが、花咲徳栄打線は佐藤に翻弄され8回まで3安打に抑えられる。

　佐藤の前に沈黙していた花咲徳栄打線も最終回、後がなくなり反撃を開始する。この回先頭の加藤がファースト強襲ヒットで出塁するが後続が倒れ、二死となる。花咲徳栄はここで代打攻勢をかける。代打・小林翔(3年)がセンター越えタイムリー三塁打を放ち1点を返す。これで1点差となり、さらに二死三塁で代打・古川澄也(1年)を迎える。古川は二遊間寄りの強いセカンドゴロを放つが最後はセカンド緑川が落ち着いて捌き万事休す。2対1で浦和学院が勝利した。

　花咲徳栄は、序盤の拙攻が最後まで響いた。この日の佐藤は良くなかっただけに序盤で一気に叩きたかったであろう。スタメン6人が2年生という若いチームであるだけに新チームでの巻き返しに期待したい。

(文＝南英博)