都立校出身、昨季2冠の石川 柊太が初の大役 大卒投手の無敗神話継続なるか?
開幕投手を務める石川 柊太(都立総合工科出身)
3月26日の開幕戦まであとわずかに迫った。すでに各球団の監督は開幕投手を発表しており、その指名されたエース格の投手たちは大一番に向けて準備を進めている。
現在、発表されている12名の顔ぶれを見ると高卒出身が6名、大卒出身が6名となっており社会人出身はひとりもいない。開幕投手はローテーションや相性、故障の影響などもあるとはいえ、多くの場合、球団の顔とも呼べる投手が登板する。
社会人出身の投手は少ないのか、それともたまたまなのか。開幕投手たちの経歴を楽天が新規参入した2005年以降で球団ごとに調べてみた。
ソフトバンクは石川 柊太(総合工科高→創価大)が初の開幕投手を務める。昨シーズンの石川は規定投球回には到達していないものの、11勝3敗(勝率.786)で最多勝と最高勝率の2冠に輝いた。
オープン戦では3試合の登板で14.1回を投げ、防御率4.40と今ひとつな内容に終わっている。しかし最終登板となった3月19日の広島戦では4回無失点、被安打3、与四球0、奪三振6(60球)と順調な仕上がりを見せた。
そんな石川と同じ大卒出身者では、東浜 巨(沖縄尚学高→亜細亜大)、和田 毅(浜田高→早稲田大)が開幕投手を務めている。和田は4度の開幕投手で3勝0敗と負けがなく、勝ち負けのつかなかった2011年も9回2失点(試合は延長12回引き分け)と好投した。
昨年の東浜も勝ち負けはつかなかったが、5回無失点とまずまずの内容で、チームはサヨナラ勝ちを収めた。2005年以降、大卒投手が開幕投手となった5試合ではチームは負けていないのである。ソフトバンク(前身球団含む)の大卒投手が開幕戦に先発し試合に敗れたのは、1988年の西川 佳明(PL学園高→法政大)が最後。平成の時代には一度もなかったのである。
社会人出身では攝津 正(秋田経法大付属高→JR東日本東北)と杉内 俊哉(鹿児島実→三菱重工長崎)のふたりが開幕投手を任された。攝津は2012年から2016年まで球団最長となる5年連続で大役を務め2012年から3連勝を飾っている。
高卒出身者では斉藤和巳(南京都高)と千賀 滉大(蒲郡高)のふたりが開幕投手を務めた。2018年、2019年と2年連続で登板した千賀は7回無失点、6回無失点と好投したもののいずれも白星はついていない。意外かもしれないが、開幕戦では千賀は未勝利なのである。
ソフトバンクは開幕戦で大卒投手が先発すると負けないジンクスは、今年も継続するだろうか。石川の投球に注目が集まる。
<ソフトバンクの開幕投手>
※2021年は予定
2021年:石川 柊太(総合工科高→創価大)
2020年:東浜 巨(沖縄尚学高→亜細亜大)
2019年:千賀 滉大(蒲郡高)
2018年:千賀 滉大(蒲郡高)
2017年:和田 毅(浜田高→早稲田大)
2016年:攝津 正(秋田経法大付属高→JR東日本東北)
2015年:攝津 正(秋田経法大付属高→JR東日本東北)
2014年:攝津 正(秋田経法大付属高→JR東日本東北)
2013年:攝津 正(秋田経法大付属高→JR東日本東北)
2012年:攝津 正(秋田経法大付属高→JR東日本東北)
2011年:和田 毅(浜田高→早稲田大)
2010年:杉内 俊哉(鹿児島実→三菱重工長崎)
2009年:和田 毅(浜田高→早稲田大)
2008年:杉内 俊哉(鹿児島実→三菱重工長崎)
2007年:斉藤 和巳(南京都高)
2006年:斉藤 和巳(南京都高)
2005年:和田 毅(浜田高→早稲田大)
(記事=勝田 聡)