京都共栄学園で行われたチームメイトへのメッセージ発信。メッセージ大賞の表彰式も開催!
表彰された選手たち
京都府福知山市にある京都共栄学園。昨夏の京都大会ではベスト4に進出した京都北部の強豪です。23日に「令和2年度 夏季京都府高等学校野球ブロック大会」の初戦を迎えます。
その京都共栄学園で、ある表彰式がこのほど行われました。
「表彰状。メッセージ大賞~」と読み上げるのは同校の神前俊彦監督。新型コロナウイルスによる2度目の休校期間中、実家に戻ってバラバラに自主練習を続ける選手たちに、指揮官はメッセージを募集しました。
著名人の言葉なども引用しながら、懸命にメッセージを考える選手たち。
53人部員がいれば、53通りの言葉が生まれます。毎日、グループLINEで選手達が考えたメッセージを指導者がチームメートに名前を伏せて発信しました。
53人の部員のメッセージが出そろった4月下旬。学校が再開したときに表彰しようと考えた神前監督は「53個のメッセージから自分のも含めて構いませんので3個選んで下さい」と選手に投票を呼びかけました。神前監督と交流のある野球関係者も投票し、メッセージ大賞が決まりました。
賞は金賞1人、銀賞1人、銅賞2人。表彰式では表彰状と監督賞が贈られました。
【金賞】坂本紫温選手
「100点は厳しいけど100%は出せるやろ」
目標は100点を出すこと、けれどそれは100%を出さないと100点はでない。
少しでも妥協して1%でも抜いてしまうと、その時点で100点じゃなく99点になってしまう。
その100点は、1人で達成するよりも、みんなで達成する方が喜怒哀楽があり1人で目指してたどり着いた目標よりもみんなで目指した目標の方が同じ目標でも、得れることは目指した人数分嬉しいだろうし得れる経験が多いと思う。
仲間同士が同じ「勝つ」ということを目指し1人1人が1日1日を100%の力で過ごして行く。
100%の力が出てなくても気持ちの面では常に100%で毎日を過ごして行く。
今は見えない敵に困らされているけれど、このコロナの壁を乗り越えると人として強くなれるしよりチームとしても強くられるし、野球が好きということを改めて感じさせてくれる。人として成長、体を作る期間、野球を好きと改めて感じさせてくれる期間だと思ってネガティブなことだけでなく、もう流行してしまっているのだから、ネガティブなことを思っても何も起こらないから、この期間をポジティブに捉えて行く。
【銀賞】中島慧樹選手
毎朝、目を覚ますたびに、お前はこういってもいいだろう。「目が見える。耳が聞こえる。体が動く。気分も悪くない。有難い!人生は美しい!」
自分はこの言葉をみてとても考えされられるものがあった。普段何気なく生活している中でこの普通の生活が出来ない人が何十万人、何百万人もしかしたらそれ以上いるかもしれない。野球でもそれは同じでグランドがあり、道具があり指導者そして一緒に野球ができる仲間がいる。それが当たり前だと思っていたが約400日前のグランドの崩壊、下級生が9人も揃わない。沢山の困難に出会った1年半だったと思う。
でもそれが強さにつながったと思う。今あること全てのことを「当たり前」と思わず常日頃から「有難う」を言えるそして言われるような日々を送っていきたい。そしてコロナウイルスに負けず今が踏ん張り時だ。と全員で鼓舞していきたい。
表彰式の様子
【銅賞】三木慶太選手
「一人で見る夢はただの夢、みんなで見る夢は現実になる」
今こんな時期で今後どうなるかは、分からないですが、必ず夏の大会が開催されると信じて今できることを一人一人がやりましょう!
みんなで集まって練習することは出来ていませんが、心で繋がることはできると思います!
「言葉は剣より鋭し」と言う宮本武蔵の言葉がありますが、言葉は、なりより強い武器になり、人を動かすことができると言う事です。
こんな状況で大変ですが、これからのみんなのメッセージなどはみんな心を繋いだり動かしたりすることができると思います。
そして、みんなの夢(目標)は「甲子園出場、甲子園で勝つ」事だと思うので、みんなが同じ夢に向かって今こそ一つになり、一緒に夢に辿り着きましょう!
【銅賞】芦田奏都選手
「迷ったら前へ。苦しかったら前に。辛かったら前に。後悔するのはそのあと、ずっと後でいい」
この言葉から1歩でも後ろに下がってしまうと、もう前には進めないと思うので、どんな状況でも前に進もうと思いました。
その状況が今だと思うので、一人一人が前を向いて自主練習に取り組んでいくことで、練習が再開した時にチームがひとつになれると思います。だからコロナに負けずあと少しの自粛期間を頑張っていきましょう。
5月20日に選手権大会の中止が決まり、甲子園出場の望みが絶たれましたが、その後に京都府独自の大会開催が発表されました。
表彰式の時、神前監督は語りかけます。
「(ベスト4に進出した)去年夏の続きができないというのは残念ですが、色んなメッセージをやり取りする中で、じゃあ甲子園がなかったら野球はやらないのかということになる。それは目標なのか目的なのか。
これから先に色々あると思うが、俺は野球が大好きなんだ。なおかつ野球が大好きな奴が好きなんだ。その結果、甲子園がついてくることは幸せだが、これだけ多くの人間が一緒に野球ができること以上の喜びはない。みんなで喜びをわかちあえるのがチームスポーツのいいところ。I’m championじゃなくて、We Are the Championsなんです。それをやりたいためにチーム競技をやっている。何もなしで終わるわけにはいかない」
休校期間中に53人で繋いだメッセージもチームスポーツの一つです。
ミーティングの最後に指揮官が伝えた夏への方針は「大好きな野球をやろう。3年生は記憶と印象に残る1ヶ月を送ろう」
記憶と印象に残る1カ月を過ごした京都共栄学園の夏が23日に始まります。
(記事=松倉雄太)