新生・土佐犬軍団・高知ファイティングドッグス 「エース・石井大智の奮闘」と「足攻」で獅子たちに健闘!
高知ファイティングドッグス先発2回3奪三振1安打無失点の石井大智
四国アイランドリーグplusで初となる日本プロ野球名球会指揮官となった駒田 徳広監督が昨シーズン限りで退任した高知ファイティングドッグス。今季は投手コーチを務めていた吉田 豊彦氏(元・南海ホークスなど)を新指揮官とし、コーチに元同球団監督で昨年途中までは柳ヶ浦(大分)監督を務めていた定岡 智秋氏(元・南海ホークス)、読売ジャイアンツなどでコーチを歴任してきた勝呂 壽統氏(元・読売ジャイアンツなど)をコーチに迎え、2月21日(土)には埼玉西武ライオンズB班との交流戦を[stadium]高知市東部総合運動公園野球場[/stadium]で行った。
隣の[stadium]高知県立春野総合運動公園[/stadium]で練習中だったA班から辻 発彦監督も駆け付ける中、埼玉西武ライオンズB班で先発したのは昨年後半セットアッパーとしてリーグ連覇に大きく貢献した平良 海馬(八重山商工<沖縄>卒3年目)3回を投げ6奪三振と流石の存在感を示し、続く投手陣も「0」を並べていく。
ただし、「選手たちは試合前は緊張していたが、試合に入ってからは落ち着いてやれたと思う」と指揮官も振り返ったように、土佐犬軍団も百獣の王・獅子を前に臆するところはなかった。特に貫録を示したのは絶対的エースの看板を背負い先発した最速151キロ右腕・石井 大智(秋田高専<秋田>卒3年目)。
スカウト陣のスピードガンで149キロを計測したスピードもさることながら、昨年より力感をあえて抑えつつボールは昨年同等の質を堅持し2回36球を投げ被安打1の3奪三振無四球無失点。ルーキーの岸 潤一郎(徳島インディゴソックス出身)や、一軍での実績も十分な熊代 聖人(今治西<愛媛>~日産自動車~王子・ 9年目)、水口 大地(香川オリーブガイナーズ出身・8年目)がA班に召集されていたとはいえ、二軍相手には十分通用することを明確に示した。
埼玉西武ライオンズB班先発で3回6奪三振1安打無失点の平良海馬
当人は試合後も「今日は今年取り組んでいるカーブを1球も使えなかったし、昨年とは違ったところを見せないといけない」と満足した表情はなかったが、昨年後半失速して逃したドラフト指名へのベースとなる部分は得ることができたと言えるだろう。
攻撃面でもいい面が出た。6番手の最速148キロ右腕・屋比久 昂(沖縄国際大卒新人)の乱れにより3失点した直後の9回表には侍ジャパントップチーム経験を持つ埼玉西武ライオンズB班左腕・野田 昇吾から先頭の3番・濱 将乃介(中堅手・東海大甲府<山梨>高卒2年目)が四球を選ぶと、一死一・二塁からワンバウンドを予測し三塁を陥れる好走塁。続く6番・大原 拓光(高知追手前<高知>~香川大卒1年目)の中前適時打へ。
結果は1対3で埼玉西武ライオンズB班に凱歌が上がったが、この一連の健闘には「いい結果には自信を持ってくれればいいし、足りないところは強化すればいい。そして9回は大原は積極的に言ってくれたし、走塁でも取り組んでいることが出せた」と高知ファイティングドッグス・吉田監督も高く評価している。
なお、埼玉西武ライオンズB班は2月26日(水)には同じ四国アイランドリーグplusで昨年総合優勝を果たした徳島インディゴソックスとも交流戦を行う予定。埼玉西武ライオンズの選手たちにとっては一軍入り、四国アイランドリーグplusの選手たちにとっては「ドラフト指名切符」をかけた闘いは、まだまだ続いていく。
(記事=寺下 友徳)