【決勝戦展望】頂上決戦!新怪物・中村擁する広陵か?初優勝を目指す花咲徳栄か??
左から中村奨成(広陵)野村佑希(花咲徳栄)の両スラッガーに注目だ!※写真提供:共同通信社
第99回全国高等学校野球選手権大会15日目。ついに決勝戦を迎えた。決勝戦のカードは10年ぶり決勝進出し、初優勝を目指す広島広陵と初の決勝進出初優勝を目指す花咲徳栄と、ともに初優勝を目指す同士の対決となった。決勝戦の見どころを紹介していきたい。
まずここで両校のデータを振り返っていきたい。
■広島広陵
チーム打率.382
チーム本塁打8本
チーム出塁率.437
チーム長打率.586
チーム防御率4.80
■花咲徳栄
チーム打率.339
チーム本塁打2本
チーム出塁率.425
チーム長打率.492
チーム防御率2.11
こうしてみると、打撃の広島広陵と投手力の花咲徳栄という構図が浮かび上がってくる。広島広陵は今大会出場校単独トップの8本塁打。3番キャッチャーの中村 奨成(3年)が本塁打6本と荒稼ぎ。さらに17打点、打率.696ともはや手の付けようがないぐらい打ちまくっている。やはり広島広陵からすれば、中村の前に走者をためていきたいところだ。毎試合、好投を続けている広陵 山本雅也は疲労がたまっている状況。精神力の強さで乗り切っているところだが、やはり平元銀次郎の投球がカギとなるだろう。広陵サイドからすればロースコアで逃げ切って勝つイメージは持っていないだろう。やはり打ち勝って悲願の優勝旗を手にしたいところだろう。
対する花咲徳栄は、終盤の粘り強さが出てきた。西川 愛也、野村 佑希の2人が注目されるが、それ以外の打者も当たりが出始め、どこからでも点を奪える打線となった。広島広陵投手陣は今まで対戦したチームと比べても、打ちにくい投手ではない。
花咲徳栄はあくまで平元、山本の出来次第だが、それでも7点~9点は奪える地力はあるだろう。そして綱脇慧、清水達也の二枚看板の出来と継投するタイミングがポイント。綱脇は5回~7回までは投げて、終盤以降に清水につなげられる形に持っていけると理想的だろう。広島広陵打線はミート打ちが上手い選手が多いので、中村を打たせないこと。中村の前に走者をためないピッチングができれば、花咲徳栄有利に動く試合展開が予想されるが、ここまで広島広陵は甲子園常連校を立て続けに破った実績があるだけに侮れない。
データから見れば花咲徳栄が有利だが、やはり9回二死まで死闘が繰り広げられることは間違いない。
(文・構成:河嶋 宗一)