Column

「大井監督と甲子園へ、そして全国制覇へ」日本文理(新潟)の戦力を徹底分析

2017.08.12

「逆転の文理」の伝統は今年も健在

「大井監督と甲子園へ、そして全国制覇へ」日本文理(新潟)の戦力を徹底分析 | 高校野球ドットコム
川村 啓真(日本文理)

 強力打線と、最後まで諦めずに終盤まで粘る「逆転の文理」の伝統は今年も健在。準決勝を含めそれまで戦ってきた5試合全て5点差以上の大差をつける一方、夏の大会3連覇を狙う中越との決勝では、終盤に逆転される苦しい展開。だが、逆転を許した直後にすぐに同点に追いつき、主砲・川村啓真(3年)のツーランで勝負を決めた。

 身長160mと小柄ながら、新潟大会好調だった1番・飯田涼太(3年)が出塁し、3番・川村、4番の松木一真(3年)という勝負強いクリーンアップが返せるかが鍵になりそう。またこれ以外にも、小技もできるキャプテン・笠原遥也(3年)や、決勝でタイムリーを放ったエース・稲垣豪人(3年)のバッティングの状態もいい。また、新潟大会決勝でも代打で貴重な犠飛を放った長打力が魅力の永田翔也(3年)がベンチに控えるなどタレントがそろう。

 1度つながりだしたら止まらず、ビッグイニングを作る破壊力がありながら、一方で打線に火が付くのが遅いという春の大会の印象だったが、夏の大会での戦いを見る限りで一皮むけたように感じる。

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実力派が揃う強力投手陣

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稲垣 豪人(日本文理)

 準優勝した2009年は伊藤直輝(現・ヤマハ)、ベスト4に進んだ2014年は飯塚悟史(現・横浜DeNAベイスターズ)という絶対的エースを擁し勝ち進んできたが、今年の日本文理は投手陣の層が厚い。中でもエース・稲垣豪人(3年)は、140km/hを超える直球と変化球を丁寧に低めに集めるピッチングが魅力。春の大会ではゲーム終盤に抑えとして出てくるケースもあったが、今夏は主に先発としてゲームを作った。

 この稲垣とともに、先発として春、夏の日本文理の屋台骨を支えたのが2年生左腕の新谷晴(2年)。130km/h中盤のストレートとコーナーに投げ分ける制球力が魅力で、安定感があり試合をキッチリ作る。

 新谷と同じ2年で、入学以来大きな期待を集めてきたのが鈴木裕太(2年)。入学以来度重なるケガでその実力を発揮できなかったが、今夏見事に復活。MAX148km/hとも言われる重い速球が武器に日本文理のブルペンの一角を担う。この3人以外にも、右の本格派・西村勇輝(3年)、横手投げの原田航汰(3年)もおり、強力投手陣を形成している。

 30年以上にわたって日本文理を指揮。2009年に全国高校野球選手権大会準優勝、2014年にベスト4進出と、日本文理を全国屈指の強豪に育ててきた名将・大井道夫監督がこの夏限りで勇退。「大井監督と甲子園へ。そして全国制覇へ」をモチベーションに、昨秋、今春、今夏の大会で優勝し、県内の公式戦では負けなしの「完全優勝」で甲子園に乗り込む日本文理ナイン。名将、最後の夏から目が離せない。

(取材・文=町井 敬史

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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