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【第98回選手権大会】ドットコム編集部が選ぶ選手権ベストナインはこの選手たちだ!

2016.08.21

 第98回高等学校野球選手権大会作新学院の54年ぶり二度目の優勝で幕が閉じた。今年も大熱戦が多く、とても見応えのある大会となった。。長い夏が幕を閉じた本日、ドットコム編集部にて、大会ベストナインを選出!ベストナインに選ばれたのは、この選手だ!(※投手は右投手・左投手で選出。また1チーム2人までの選出にしています。

ドットコム編集部が選ぶ選手権ベストナイン!

投 手:右 今井 達也作新学院) 
    左 寺島 成輝履正社
捕 手:九鬼隆平秀岳館
一塁手:今井順之助中京) 
二塁手:佐藤陸大分
三塁手:大北海斗明徳義塾
遊撃手:松尾大河秀岳館) 
左翼手:西村舜明徳義塾
中堅手:小林虎太郎作新学院) 
右翼手:藤嶋健人東邦

投手部門は今年の世代を代表する剛腕の今井と寺島を選出!

今井達也(作新学院)

 右投手は優勝投手に輝いた今井達也だろう。初戦で151キロを計測し、その後、自己最速の152キロを計測するなど、自慢の剛速球を甲子園のファンに見せつけた。そして130キロ後半のカットボール、130キロ台を超えるフォークと変化球の精度も高いが、ここぞというときにストレートで押せる投球ができること。大会通じて安定感あるピッチングを披露し、打ち込まれることなくゲームメイクし、5試合中、4試合を完投。1試合における最多失点は2と抜群の安定感で、見事に優勝に貢献した。そのピッチングは今大会MVPに相応しいピッチングであった。

寺島成輝(履正社)

 好左腕が揃う今大会。誰をベストナインと推すか悩まされたが、今回は大左腕になる可能性を持った投手ということで、大会前からナンバーワン左腕と呼び声が高かった寺島成輝を選んだ。やはり寺島の魅力はストレートで押せること。145キロ前後の角度あるストレートは、好左腕が多い今大会でも別格で、右打者を苦にせず、インコースのクロスファイヤーは思わず腰が引けるもの。

 寺島は変化球の精度が課題であったが、横滑りするスライダー、カットボール、フォーク、チェンジアップを織り交ぜるなど多彩な球種を見せた。トータルで見ると、ストレートの調子は大阪大会ほどではなかったが、完成度が高いように見えて、それでもまだ奥行きを感じさせる寺島。やはりナンバーワンに相応しい男であった。

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[page_break:秀岳館・九鬼、松尾、大分・佐藤と九州に好野手が揃う!]

秀岳館・九鬼、松尾、大分・佐藤と九州に好野手が揃う!

  捕手は九鬼隆平秀岳館)だ。パワフルな打撃、スローイングタイム1.8秒台とまさにプロのスカウトが注目する強肩強打の捕手だが、九鬼の魅力は冷静な統率力、そしてチームを鼓舞できる強烈なキャプテンシー。北海戦では1点差に迫る走塁は鬼気迫るものがあった。今年も好捕手が多いが、チームを乗せるような熱さを持った男で、ベストナインに相応しい。

九鬼隆平(秀岳館)

 一塁手は非常に悩んだ。入江大生西浦颯大を候補にしていたが、今井順之助のフルスイングに勝る選手はいないと実感いsた。確かに今井は今大会、本塁打はなかった。それでもあのフルスイングを見て、次のステージで活躍を予感させるものだった。

 二塁手も好打者多くいたが、トータルで見て佐藤陸を選出。縦横無尽に駆け回るフットワークの良さ、身のこなしの良さは素晴らしく、そして打撃でも中京戦でも3安打を放ったように最短距離で振り抜くバットコントロールの良さは素晴らしく、大会2日目(8月8日)から約2週間を経ても佐藤のパフォーマンスの素晴らしさは未だに強烈に印象に残っている。

 三塁手も攻守のバランスの高さを考えて、大北海斗を選出。連日、快打を披露。そして好守備を連発し、球際の強さ、動きのスピード感は今大会屈指の三塁手として推していいものだった。

 遊撃手は走攻守の総合力の高さを評価して松尾大河。昨秋と比べると打撃の粗っぽさがなくなっていて、それでいて、スイングにも強さが出て、たびたび長打を打てるようになった。そして魅力は何といっても守備。捕球してから送球するまでの速さは秀逸で、シングルハンド、逆シングルの使い方の巧さは天下一品。大学どころか、社会人野球でもすぐにプレーできるスピード感を持っている。

藤嶋は14打数8安打9打点と驚異の打撃成績!

藤嶋健人(東邦)

 レフトは、西村舜。2番打者の概念を覆す巧打の2番で、独特のバットコントロールの良さは秀逸。ストライクゾーンに入ったら安打だろうと思わせるぐらい隙の無い選手だった。準決勝では作新学院の今井達也から本塁打。実力は十分に発揮したといっていい。

 センターは小林虎太郎。全国制覇においてこの男の攻守の働きがなければ優勝はなかった。派手さはないが、バットコントロールの良さ、そして強肩が光る中堅守備。

 ライトは藤嶋健人。北陸戦でサイクルヒット未遂に終わったが、右中間へ打ち込む本塁打を放ったり、インパクトは十分。計3試合で、14打数8安打9打点と文句付けようのない打撃成績だった。他にも良いライトがいたが、藤嶋を上回る活躍を見せた選手がいなかったため藤嶋を選出した。

 今年は全ポジションにくまなく好選手が集結した大会であった。選ばれた9人だけではなく、出場49チームのすべての選手たちが次のステージで活躍することを大いに期待したい。

(文・河嶋 宗一

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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