試合レポート

水戸一vs鹿島学園

2017.07.11

5時間3分に及ぶ熱戦!水戸一が9対8で鹿島学園にサヨナラ勝ち!

 灼熱の太陽の下、要した試合時間は5時間3分。茨城の歴代最長試合時間記録を更新した。

 先手を取ったのは鹿島学園だ。
1回表、鹿島学園は1番・港谷真裕がライトツーベースで出塁し、3番・内村海斗のレフトツーベースで幸先良く1点を先制する。
4回表、鹿島学園は6番・山﨑寛大がセンター前ヒットで出塁し、犠打と進塁打で二死三塁から、9番・島田翔悟(1年)のライトオーベースリーベースで1点を追加する。

 ここまでヒット1本に抑えられた水戸一は、4回裏に連打で逆転に成功する。先頭の2番・幡谷寛朗がレフト前ヒット、4番・飛田怜央奈は四球、5番・小柴鴻士郎は四球で一死満塁とすると、6番・蒲原大稀(1年)のライト前ヒットで同点に追い付く。さらに一死一、二塁から、7番・栗原幸太郎のプッシュバントが一二塁間を抜けて逆転に成功すると、8番・大賀悠生のスクイズが野選となって1点を追加し、この回4点を奪う。

 水戸一はここで2番手にサードの守備に就いていた幡谷をマウンドへ送る。
2点リードされた鹿島学園だが、5回表に反撃する。先頭の先頭の2番・三ツ橋侑輝がセンター前ヒットで出塁し、二つの四球で二死満塁とすると、ワイルドピッチで1点を返す。
7回表、水戸一は一死から3番手に右腕の常井を送り後続を断つ。
8回表、鹿島学園が同点に追い付く。一死から8番途中出場・瀬野尾祐介がレフト前ヒットで出塁し、牽制悪送球で一気に三塁まで到達すると、ワイルイドピッチで同点とする。

 同点に追い付かれた水戸一は8回裏に勝ち越す。先頭の5番・小柴が死球で出塁し、犠打と牽制悪送球で一死三塁とすると、7番・蒲原のスクイズで1点を勝ち越す。鹿島学園はここで2番手に石神を投入する。
後がない鹿島学園だが、9回表に脅威の反撃を見せる。先頭の3番・内村が振り逃げで出塁し、4番代打・菊地尚央が四球で出塁。水戸一はここで飛田を再びマウンドに送る。鹿島学園はワイルドピッチで一死二、三塁とすると、6番・山﨑のライト線ツーベースで2点を奪い逆転する。さらに7番・圷竜冴(2年)の内野安打と盗塁で一死二、三塁とすると、8番・瀬野尾のライト前タイムリーで2点を追加し、一挙に4点を奪う。


 9回裏、3点ビハインドの水戸一だが、土壇場で連打が生まれる。一死から3番・内桶がライト前ヒット、4番・飛田がレフト前ヒットで一、二塁から、5番・小柴のレフト前ヒットで1点。鹿島学園はここで3番手に角田雄大を送る。しかし水戸一は続く6番・蒲原のセンター前ヒットで1点差に詰め寄る。
なおも一死一、三塁としスクイズ失敗で万事休す。しかし水戸一の攻撃は終わらない。8番途中出場・岡田隆佑がサード内野安打で二死満塁とすると、9番・田中希が外角を見極めて押し出し。土壇場で同点に追い付く。

 10回裏、鹿島学園は4番手に左腕の佐藤大征(2年)を送り二死満塁のピンチを切り抜ける。

 12回裏、遂に勝負が決まる。
水戸一は死球と四球、さらにバントヒットで無死満塁とすると、最後は8番・岡田が四球。5時間3分にも及ぶ死闘は押し出しで幕を閉じた。

 両チーム合わせて四死球が22個。常にランナーを出しながらワイルドピッチや野選も多く大味であった分、流れが激しく両者に入れ替わる試合展開となった。中でも8回と9回の攻防は相当な見応えがあった。
選手に目を向けると、水戸一は3番の内桶が3安打、6番の蒲原が1年生ながら2安打3打点、9番の田中は6打席全出塁とラッキーボーイ的な活躍を見せた。
鹿島学園は6番捕手の山﨑が3安打の活躍も11回に熱中症で無念の途中交代。4番に座った1年生の張は強烈なレフト前ヒットで強打者の片鱗を見せた。今後の成長が楽しみな打者だ。

 水戸一は次戦、筑波と対戦する。

 

(文=伊達 康)

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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