実践学園vs桜美林
三竹芳孝(実践学園)
実践学園・三竹が1失点完投勝利!
2試合目は実践学園と桜美林の対決。
1回の表、先頭の山下が四球で出塁。そして桜美林の先発鈴木が牽制を投げた際にボークを取られ、ノーアウト二塁。2番下村がライト前ヒットで山下が生還し、1点を先制する。
3番久保嶋が死球でノーアウト1,2塁。4番信太の際に二塁ランナーの下村が飛び出して鈴木が三塁へ投げるが、これが暴投となり、下村がホームインし、6番鹿嶋のレフト前タイムリーで1点を加え3対0とする。
桜美林は3番高村のタイムリーで1点を返す。実践学園は小刻みに得点を加えていき、8回には8番宮地がホームランで6対1とする。桜美林も得点圏までランナーを進めるが、後続を抑えられて試合あ終了。実践学園が二回戦進出を果たした。
右オーバーから投げ込む直球は常時120キロ後半~130キロ前半を計測。カーブ、スライダー、チェンジアップをテンポ良く投げ分けていき、打たせて取る投球を展開する。ノーワインドアップから入り、腰を少しずつ沈めていきながらスムーズな体重移動が取れており、セットになってもスピードが変わらないのは素晴らしい。クイックも1.1秒~1.3秒前後を記録しており。素早いクイックが出来ている。ただまだスタミナ不足なところがあり、終盤になっていくとストレートのスピードが落ちており、上背のなさもあり、打者として捉えやすくなってしまっている。それでも崩れないのが彼の粘り強さだろう。
夏までにストレートを磨き、スタミナも鍛えて終盤になっても球速が落ちない投手になってもらいたい。求めるものは力強さだ。
鈴木泰斗(桜美林)
正捕手の鹿嶋大樹(180センチ72キロ 右投げ右打ち)は体格の良さが目に引くキャッチャー。
シートノックからキレの良い動きと地肩の強さが光る。
この試合では2安打を記録。ストレートをレフト前ヒット、ライト前ヒットにした。この選手のタイミングの取り方は独特で、ほぼノンステップ。ただ彼の場合、やや顎が上がり、そして間が取れずに振り出してしまうので、タイミングを崩しやすい脆さがある。打球は鋭いが、タイミングの取り方を投手によって工夫する必要がありそうだ。
捕手としては、どっしりと座る構えには雰囲気があり、キャッチングも柔らかい。打者に応じて配球を考えている意図が見られ、リードセンスは伸びる下地はある。スローイングは横振りする癖が見られ、タイムは2.05秒~2.10秒。地肩自体は強いが、まだ遅く、この動作は鍛える必要はありそうだ。
カバーリングは怠らずにしっかりと走っており、高校生として捕手として、選手としての意識は高い。
大学で続けていける素地はあるので、更に高い意識を持って更に実力を磨いてくれる事を期待したい。
桜美林のエースの鈴木泰斗(右・右 173センチ75キロ 3年生)に目が付いた。
体全体を使った投球フォームから投げ込む直球は常時120キロ後半~135キロ前後を計測。速球の威力は中々のものがあり、空振りを奪った時のストレートはこの日登板した投手の中でも一番のものがあった。
変化球はスライダー、カーブ。変化球のキレは悪くない。ただ制球が粗く、高めにすっぽ抜けることが多い。5回まで7奪三振を奪いながら7四死球と大荒れの投球。ストレートの調子によって投球が左右されるタイプである。球数が多くなり、5回頃になるとストレートの威力が落ちていた。投手としての素質は良い物を持っているし、気持ちも強いタイプ。
フォーム固めを行い安定した投球ができるようになれば、桜美林のエースを担うこともできる期待の投手だ。
(文=編集部:河嶋宗一)